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山口達也の謝罪会見を精神科医が見ると

強制わいせつ容疑で書類送検されたTOKIO・山口達也。
本日、謝罪会見が行われました。

 

滅多にテレビなど見ない私ですが、
生中継時間が、たまたま病院の休憩時間だったので、
珍しく記者会見を生で見ました。

 

多分、一般的の方とは全く違った見方で見ていたと思いますので、
私の意見をまとめておきます。

 

彼自身の発言から事実関係をまとめると

#アルコールによる肝機能障害で入院していた。
#病院に入院して、そこから仕事に通っていた。
#退院日(事件当日)、退院してホッとしたこともあり、お酒を飲んでしまった。
#飲酒量は焼酎1本程度。
#事件の前後の記憶はほとんど覚えていないか、非常にあいまい。
#「アルコール依存症の治療を受けていたか?」についての記者の質問については、
「依存症ではない」と答える。

 

これらの事実を総合して考えると、
本人は否定しているものの、
「アルコール依存症」が強く疑われる状態です。

あるいは、その一歩手前の「アルコール乱用」です。
あくまでも、明らかにされた事実を基にした、私の個人的な見解

 

「アルコール依存症」かどうかの診断ですが、
「アルコール依存症」の診断基準にはいくつかあるものの、

1)身体的依存と精神的依存
(2)問題行動

この2つがそろうと「アルコール依存症」と診断されます。

 

身体的依存とは、わかりやすく言えば「禁断症状」です。

 

「離脱症状」ともいいますが、お酒が切れると、手が震えたり、
汗が出たり、イライラや不安などの症状が出て我慢できなくなります。

 

精神的依存とは、飲みたくて、いてもたってもいられない状態。
飲まないでいると「どうしても飲みたい」という衝動にかれることです。

 

彼の場合は、退院した当日から飲んでいることから、
「精神的依存」は間違いなく存在します。

 

一方で、入院中は飲んでいなかった(おそらく)。
飲まないでも、著しい禁断症状は出ていなかったと考えられるので、
「身体的依存」までは行っていないのでしょう。

 

その意味で言うと、「身体的依存」はないので、
厳密な意味で「アルコール依存症」ではない。

 

彼自身の「依存症ではない」という言葉は正しいかもしれません。

 

一方で、アルコール依存症の「問題行動」というのがあります。

「問題行動」とは、お酒を飲んだ状態でおきる様々な行動を指します。
具体的には、異常酩酊(記憶がなくなる)、暴力、暴言、
セクハラ、パワハラ行為。
さらに自動車事故や転倒による怪我なども含まれます。

 

今回の事件では、セクハラ行為を行い、
その記憶が全くないということですから、
明らかに「アルコールによる問題行動」がある、ということです。

 

診断でいうと、「アルコール依存症」まで行っているか、いないのか。
厳密にはわかりませんが、「アルコール依存症」の一歩手前の状態
(アルコール乱用)ではあるでしょう。

 

いずれにせよ、「アルコール関連障害」なのです。
(「アルコール依存症」や「アルコール乱用」「多量多飲者」などを
全て合わせて「アルコール関連障害」と言う)

 

お酒にのまれて、記憶がない状態で、
他人に迷惑な行為をしてしまう。
時に犯罪行為をしてしまうというのが、
「アルコール関連障害」の特徴です。

 

今回の事件を「たまたま運が悪かった」と思う人もいるでしょうが、
彼がお酒をやめない限り、
いずれは何らかの事件やトラブルを起こしていたことは間違いないでしょう。

 

つまり、今回の事件は必然的、おこるべくして起こった事件です。

 

これは、人ごとではありません。

 

日本人で、
アルコール依存症とその予備軍は合わせて300万人。
ハイリスク飲酒群で、約1000万人います。

ハイリスク飲酒群

アルコール依存症予備軍

アルコール依存症

へと、進行していきます。

 

ちなみに、10年以上毎日飲酒している人は、
ほぼアルコール依存症予備軍です。

 

そんな人、いくらでもいますね。
私の友人でも、何人もいます。

 

ひょっとすると、あなたもそうかもしれません。

 

アルコールで肝機能障害を起こして、
ようやく退院したのに、その日から早速、酒を飲んでしまう。

 

常識で考えるとありえない話。
だから、「病気」(異常な状態)なのです。

 

完全にお酒に呑まれている。

 

自分のコントロールを失い、お酒にコントロールされてしまうので、
何をやらかすかわからない。

 

結局、後悔しても後悔しきれない、事件を起こしてしまった。

 

お酒を飲みすぎると、人生を棒に振る!!

 

山口達也の、全く記憶がないのにこんなことになって・・・
という表情は可哀相な気もしますが、
自分の理性や意志に反して、たいへんなことをしでかしてしまうというのが、
お酒の怖しいところなのです。

 

以上が、山口達也、謝罪会見からの、
私の「気付き」です。

 

1年365日、ほぼ毎日お酒を飲んでいる人は、
アルコール依存症予備軍から、
アルコール依存症へと一直線へと進んでいます。

 

ある程度までいくと折り返せないのが、
アルコール依存症の特徴なので、
お酒はほどほどにしておかないと大変なことになります。

 

健康的にお酒を飲みたいのなら、
少なくとも週2日の休肝日が必須です。

 

追伸1

城島リーダーの番組「ニューベンゼミ」に出演していることもあり、
「TOKIO」は好きなグループ。

 

きっぱりと「お酒」と決別して、
帰ってきて欲しいと思います。

 

追伸2

私も酒好きなので、あまり人のことは言えませんが、
#週2回以上の休肝日
#必ず終電で帰る
#基本、家で飲まない
といったルールを作って、お酒を楽しんでいます。


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