若くして大成功を手に入れると、後半生がキツくなる・・・。
M・ナイト・シャマラン監督をみると、
そんなことを思ってしまいます。
1999年、29歳の時に脚本・監督を務めた『シックス・センス』が
商業的に大成功をおさめ、
アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞にノミネート!!
『シックス・センス』では、
ぎょっとするラスト・シーンに度肝を抜かれました。
すると観客は、2作目、3作目でも、
ラストの大ドンデン返しを期待してしまう。
『シックス・センス』以後の作品。
『サイン』『ヴィレッジ』は、なかなか「微妙」なのです。
悪くはないのですが、傑作ではない。
ラストシーンも、適度にひねってはいるものの、
当然、『シックス・センス』を超えることもない。
多分、本人もやりづらいことでしょう。
映画を見終わった、何か「微妙」な気分にさせられる。
そんな微妙王、M・ナイト・シャマランの新作
『ノック 終末の訪問者』を見ました。
人里離れたキャビンで休暇を楽しむ家族の元に、
突然現れる謎の訪問者。
家族の誰か一人を犠牲にして殺さないと、
世界が破滅する。
世界を救うのか?
世界を破滅させても、家族を救うのか?
という究極の選択。
設定としては、おもしろい。
「スリラー」である本作は、
比喩、メタファーとして見るべきなのだろう。
終末は、すぐそこに迫っている。
それを救えるのは、あなた。
ただ簡単ではない。「犠牲」は必要だ、と。
世界を救う家族とは、ゲイの夫婦。
そして、子供は中国系の養子。
ジェンダーの差別。人種差別。
被差別者の側に、世界を救う、救わないの
「主導権」を持たせるというの設定は興味深い。
しかし、最後まで見ると・・・
詳しくは書けないが、やはり、いつも通り、
微妙な気分になってしまった(笑)。
それでも、どうしてもみたくなる中毒性があるのが
シャマラン作品。
次の作品も、また見てしまうのだろう。
『ノック 終末の訪問者』樺沢の評価は・・・・・・ ★★★☆(3・2)
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