書評/映画評

駒田蒸留所へようこそ ~胸が熱くなった!

『駒田蒸留所へようこそ』に胸が熱くなった。
3回、泣いた!!

  
若くして家業の「駒田蒸留所」の社長となった駒田琉生(るい)。
そして、それを取材するウェブライター、高橋。
 
ベースは、廃業寸前のウイスキー蒸留所を立て直す話ですが、
「自分が本当にやりたい仕事」というテーマが、
作品を立体的にしています。
 
自分のやりたい仕事に出合えず、仕事を転々とするライター高橋。
目に全く精気がない。そして、仕事も中途半端。

そんな高橋が、琉生に触発され、
ウイスキーのおもしろさに気付き、
ライターの仕事に情熱を注ぐように、ドンドン変化していきます。
 
「やりたい仕事」あるいは、自分の天職を、どのように見つけるのか? 
最初から、「やりたい仕事」に就ける人なんていない。
結局のところ、今、「与えられた仕事」に全力で取り組む姿勢がないと、
「何がやりたいか」なんて、見えてこない。
そんなガチなテーマに、胸が熱くなるのです。

 
本作が作られた背景には、
昨今、盛り上がりを見せるクラフトウイスキーを応援しよう、
という意図もあるでしょう。

ウイスキー初心者の高橋が、
ウイスキーについて学んでいくという過程を共有することで、
ウイスキーについての基本知識を学べるようになっています。

ウイスキーは、製造してから発売できるまで時間がかかる。
そのビジネスとしての「たいへん」さの一方で、
複雑な原酒を組み合わせて、様々な味を作り出せる。
その奥深さも描かれます。
 
劇中に登場する架空の蒸留所は、実際の蒸留所をモデルにしています。
というか、かなり「まんま」描かれています。
ウイスキーマニアの人にとっては、ここはどこの蒸留所だな、
という楽しみもあります。
ちなみに、「駒田蒸留所」は、富山の三郎丸蒸留所、そのまんまです。
 
ウイスキー好きも、そうでない人も。
そして、「やりたい仕事」が見つからないという人に、是非、
見て欲しい作品。

『駒田蒸留所へようこそ』樺沢の評価は・・・・・・ ★★★★☆ (4・6)

『駒田蒸留所へようこそ』予告編
https://youtu.be/KSAJIox–2g

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