映画『アイアンクロー』。
深いなあ〜。
見応えのある作品だった。
ブロレスのヘビー級チャンピオンを目指す
フォン・エリック家の家族の物語。
内容も、超ヘビー級。
そう、心理描写がずしりと来ました。
あらすじを調べると
プロレス界の伝説にして“呪われた一家”と呼ばれた
フォン・エリック家の衝撃の実話を映画化!
と書かれているのですが、
よく意味がわかりません。
もう少し上手に説明すれば、
観客動員数も変わるのに・・・もったいない。
本作の素晴らしさが、
こうした「あらすじ」や「要約」からは、
うまく伝わらないのです。
では樺沢は、どう伝える?
世界チャンピオンになれなかった父親が、
子供たち、4人兄弟を鍛えて、
ヘビー級チャンピオンを目指します。
兄弟同士の支え合いもあり、
夢のある話のように見えます。
しかし、父親の「アイアンクロー」の創始者
フリッツ・フォン・エリックは、
子供たちに、決して「ノー」と言わせない。
強権的、威圧的な父親なのです。
樺沢の父性分類では
「VERY BAD FATHER」(非常に悪い父親)
ということになります。
その子供たちが不幸になるのは、
呪われているからか? 心理的な影響か?
どうみても、後者でしょう。
本作を見ると、「幸せ」とは何か?
を深く考えさせられます。
「最高の幸せ」は、ある意味「人生の頂点」。
つまり、あとは転落しかない。
としたならば、それは「手に入れない」方が
良いのでは? とまで、思えてしまいます。
悲惨なシーンも多いのですが、
やはり人生の救いは、「つながり」。
オキシトシン的幸福しかないのです。
1970〜80年代の雰囲気の再現が凄い。
そして、ザック・エフロンの肉体改造が凄い。
これ、VFXじゃないのですね。
本物のプロレスラー、さながらの筋肉に
驚かされます。
観客は、20人ほど。
こうした、本当に深い心理描写の作品が、
見られないというのは、悲しいですね。
プロレスファンの方には、
「アイアンクロー」の創始者。
ジャイアント馬場やアントニオ猪木とも
死闘を繰り広げたフリッツ・フォン・エリックは、
有名ですが、本作は、
プロレスファンじゃない人ほど見るべき。
幸せに見えている人が実は不幸で。
不幸な人が、実は幸せだったのかもしれない。
いろいろと、考えさせられる作品です。
『アイアンクロー』樺沢の評価は・・・・・★★★★☆ (4・5)
『アイアンクロー』予告編はコチラから
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自分もこの映画を見て、本当によかった、樺沢先生がどう思われたか気になったのですが、思いのほか評価が高くてそれはそれでうれしかったです。
最近、自分はアナログの世界に憧れ、スマホがない時代の映画に憧れます。
息子たちのロン毛のヘアスタイルがかえって斬新で自分も真似したくなりました。
自分も70年代っぽい雰囲気に憧れます。