書評/映画評

『7つの習慣』を読み直してみた (その1)

最近『7つの習慣』について書いたら、
“『7つの習慣』を久しぶりに読み直したい”
という衝動にとらわれましたので、読み直してみました。

『7つの習慣』を初めて読んだのはかなり昔の話。
15年くらい前でしょうか。
 
その頃の読後感は、「スゲー!」という驚き半分。
残りの半分はすぐには理解できない「難しい」という印象です。

しかし、今読むと、それほど難しくなく、
スーーッと理解できます。

それは、『7つの習慣』の内容を、
自分の「習慣」にできているからだと思います。

普通のサラリーマンやビジネスマンの方で、
『7つの習慣』的な生き方を、
最初からしている人は、ほとんどいないと思います。

15年前の私もそうでした。
ですから、目指すゴールがあまりにも高すぎて、
内容をリアルなものとして、逐一、理解できないのです。

『7つの習慣』を読みながら
「TO DOリスト」(やるべきリスト)を書いていくと、
おそらく30個以上のリストができるでしょう。

今読み直すと、
「こんなの当たり前だよね」
「ほとんどやっているよね」という感じで
スーーッと読めるわけです。

『7つの習慣』のエッセンスを
一言で言うならば「人格主義」です。

ビジネスや仕事に関して、
私たちは多くの悩みやストレスを抱えています。

仕事でうまくいかないことを、
それを会社のせいにしたり、上司や部下のせいにしがちです。
環境や他人が悪いから、と多くの人は考えがちです。

『7つの習慣』では、環境や他人を変えるのではなく、
「自分が変わることで、周囲を変えていく!」
つまり、自分の人格、人間性を磨いていこう!

自分から相手をよく理解することで、相手から理解され、
他人に影響力を発揮できるようになり、
多くの人が自分に協力してくれるようになる。

結果として、WIN-WINの相互に高め合う関係性が出来て、
仕事も上手くいくし、家族やプライベートもうまくいくのです。

これが、『7つの習慣』の”人格主義”です。
当時としては、非常に画期的な考え方だったと思います。

また現代においても、
自分がうまくいかない原因を、
会社や他人のせいにする人は山ほどいるわけで、
現代社会においても、
とても必要とされている考え方ではないでしょうか。

自分を高めることで、問題解決をしていく。

会社や他人は変えられないので、それを変えようとするのは、
ものすごいストレスです。
 
しかし、自分を変えることは、それよりは何倍も簡単で、
自分の努力次第なので、ストレスフリーで、
むしろ自己実現を感じながら、楽しく行うことができるのです。

なんという、素晴らしい考え方でしょう。

「変えられない」ものには抗わず、
自分のできることを一つずつこなしていく。
 
これは実は、心理カウンセリングの考え方と、
全く同じです。
 

この本から、私は多くの影響を受けていますが、
特に影響が大きいのは、
第3の習慣「重要事項を優先する」です。

自分のミッションと目的をきちんと定めて、
その判断基準をもとに、重要事項を優先した判断をしよう。

重要事項の低いもののために、
重要事項の高い事柄は、決して犠牲にしない、
ということです。

これをきちんと行っていれば、
日曜日に「子供の運動会」の予定が入っているのに、
「どうしても休日出勤してくれ」
という上司の無茶な要求を受け入れることは、
皆無となります。
 
ただ、断ればいいだけです。
迷いなく。

「重要事項を優先する」を実行できていれば、
無理がなくなる。

「うつ病」になることもないでしょう。

ほとんどのサラリーマン、ビジネスマンは、
真の重要事項を優先できない。

あるいは、何が重要なのか混乱していて
判断不能に陥っています。

私は、この『7つの習慣』を読み、感動し、それ以来、
冷徹なまでに「重要事項を優先する」を守っています。
 
重要事項が高い予定は、絶対にズラさない。

例えば、「午前中の執筆時間」は、とにかく死守するので、
執筆期間中は、「午前と昼の予定は全て断る」ということを
今でもやっています。

私にとっての最優先事項は、
「いい本を書く」ということなので・・・。

「重要事項を優先する」ことが習慣化すると、
仕事と遊びのメリハリがついて、
仕事をするときは、仕事にものすごく集中できるようになります。

遊び、趣味、交流の時間も大切にするようになるので、
プライベートがものすごく充実します。

時間の質が、圧倒的にアップするのです。

ということで、
第3の習慣「重要事項を優先する」は、
私にとって時間術、仕事術の基礎になっています。

(続く)

『完訳 7つの習慣─人格主義の回復』
(スティーブン・R.コヴィー 著、キングベアー出版)
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