ネットを見ると「怒りのピークは6秒」という記事が
たくさん見られます。
「怒りのピークは6秒」だから、6秒だけ怒りを我慢すると、
あとは収まっていきます。
ほんの一瞬だけ、我慢しましょうね。
といった内容の記事です。
この「6秒」の科学的根拠は何だろう?
と思って、いくつものブログを読みましたが、
「6秒」の根拠は、見つかりませんでした。
根拠なしかよ・・・。
もし、科学的根拠を知っている人がいましたら教えてください。
さて、これに関する、私の脳科学知見は、
「アドレナリンの半減期は40秒」という話です。
半減期とは、その物質が半分になるまでの時間。
つまり、40秒もすると、
体内での濃度は半分になるので、怒りもかなり収まる、
と言えるわけです。
しかし、いろいろ調べると、
アドレナリンの半減期は20秒とか、30秒とか、
ことがわかります。
一体、どれが正しいんだ?
しょうがないので、一つ一つ論文に当たって調べていくと、
論文ごとに20秒だったり、
さらに、動物実験で使われる動物の種類によっても、
測定法、測定条件によっても変わってくるのです。
いろいろと調べた結果、ある生理学の教科書に
「アドレナリンの体内での半減期は20~40秒」
いくつかの論文をとりまとめた結果の数値として、
正しい記述なんだろうなあ、と腑に落ちました。
「本を書く」という作業は、
こうした検証、確認作業の積み重ねです。
ネットに書かれている情報は、嘘も多い。
ですから、論文などで丹念に裏をとらないといけない。
もちろん、英語の論文ですね。
なので、膨大な時間がかかります。
そんな膨大な調査の積み上げが、
追伸
さて、5月30日発売の樺沢の新刊
『いい緊張は能力を2倍にする』では、
「緊張」のコントロールは当然として、
「怒り」のコントロールについても書かれています。
緊張しやすい人に限らず、
怒りっぽい人も、必読であります。
『いい緊張は能力を2倍にする』。
第1章までが無料で読める!!
無料版の配布が、今週中にスタートします。
お楽しみに。