書評/映画評

樺沢紫苑が選ぶ!! 2017年映画ベストテン(その1)

2017年。あと5日で終わります。

各種、年間ベストテン。
10大ニュースなどが発表されています。

私も、私の大好きな「映画」を通して
今年1年を振り返る、ということで、
2017年映画ベストテン」を発表したいと思います。

■82本の映画を見た!!

まず、今年1年、何本の映画を見たのかを数えてみました。

このブログの巻末に「最近見た映画」を掲載していますが、
それを集計したわけです。

2017年に見た映画。
なんと、82本!!

かなり見た~~~~!!
ということで、相当の満足感、充実感を感じております。

アメリカ、シカゴから戻ってきたここ10年間で
最も映画を見た年になりました。

ちなみに、
シカゴ在住時は、年100本を見ていました。

映画というのは、私にとって最高の娯楽で、
「年100本映画を見たい!」
と毎年目標設定するわけです。

たくさん映画を見るほど幸せになる。
人生が楽しくなる、というイメージです。

しかし、年100本は相当たいへんです。
時間管理がたいへんなのです。

今年は、82本見られた、ということは
私の時間管理能力がアップした、ことを意味します。

それは『神・時間術』を執筆して、
仕事第一ではなく、
「遊び」「娯楽」「趣味」「楽しみ」のために
優先して時間を割くことで、
人生の満足度、充実度、幸福度が確実にアップする
と再確認したから。

だからこそ、これだけたくさん映画を見られたのだと思います。

「樺沢さんは、いつも忙しいでしょう」
とよく言われますが、私は忙しくはないのです。

4日に1回は映画を見ているわけですから。

「忙しい」「忙しい」ではなく、
時間をどこに振り向けるのか。

自分の大好きなところにたっぷりと時間を降り向けることを、
通常「忙しい」とはいいません。

「充実している」というのです。
「人生が楽しい」というのです。

人生をもっと楽しくしたい!
ということで
2018年は必ず年100本を見ます!!
(目標公言)

今年も、
1月と6月が、月に4本しか見ていなかったりします。

しっかりと時間管理できれば、
年100本は実現できるはずです。
■それでは、「ベスト10」の発表です。

さて、前置きが長くなりましたが、
いよいよベスト10の発表です。

私の「ベスト10」は、「1位」からの発表です。
これ以上、ひっぱりませんので、ご安心ください。

それでは、精神科医・樺沢紫苑が選ぶ、
2017年のベストワン映画は、








第1位 『メッセージ』

いろいろ迷いましたが、
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』を
ベストワンにしました。

樺沢が好きな映画の特徴があります。

それは、
#ストーリーが複雑。一筋縄ではいかない
#人間の心理が精緻に描かれている
#魂を揺さぶられる

この三つの特徴を、全てほぼ満点で満たしているのが、
『メッセージ』です。

淡々とした展開に、退屈さを感じた人もいるでしょうが、
そういう人は、後半、ストーリーについていけなくなり、
最後には、完全に意味不明に陥ったてしょう。

「時系列」を崩壊させたストーリー展開には、
ほとんどの人がまんまと騙され、「やられた!」と思ったはずです。

エイリアンとのコミュニケーション。
そこに「命」をかける言語学者の主人公のプロフェッショナル魂。

「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも、このレベルの人は、
なかなか出演しません。

私も「精神医学」の専門家でありますが、
世界の人を救うために、命を捨てる覚悟があるのか!

そのくらい真剣に、自分の専門性と向かい合っているのか、
というのを問われている気がしました。

それが、エイリアンと対峙して彼女が素顔を晒すシーンに
見事に表現されているのです。

この映画は、「言葉」「言語」をテーマにしながらも、
重要な部分は映像で語っています。

映像で語る。それこそが「映画」であります。

最後の、
エイリアンと心が通じる部分は、号泣ものです。

人間同士では、意志を通じ合わせることがこれほど難しいのに、
彼女はエイリアンと深いコミュニケーションを築くことに
成功するのです。

コミュニケーショの力。
コミュニケーションの勝利。

「伝えよう」という強い想いがあれば、何だって伝えられる!!
宇宙人とでも、会話ができるんだから。

そんな、コミュニケーションへの賛美と、
コミュニケーションへの無限の可能性を改めて教えてくれる。

そんな素晴らしい映画。
「魂が揺さぶられる映画を見た!」という圧倒的充実感。。

「精神科医」の樺沢紫苑が選ぶベストワンとして、
2017年、これ以上の作品はないでしょう。

ありがとう、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督!

樺沢が書いた、『メッセージ』映画批評はコチラから
https://kabasawa3.com/blog/book-movie/message_movie

『メッセージ』DVD
https://impulse-ex.com/L2334/h11501/710391

お正月、家族そろって見ながら、頭をかかえるのもいいと思います(笑)。

■ 続きまして、第2位の作品は






第2位 『哭声/コクソン』

韓国のホラー映画、『哭声/コクソン』です。

おそらく見た人は、非常に少ないと思います。
そして、作品の存在すら知らない人がほとんど。

ネットで情報を知り、妙な胸騒ぎがしたので見に行きました。
その「胸騒ぎ」は、見事に的中したのです。

韓国の田舎で連続して起きる一家惨殺事件。
犯人は別人なのに、シュチエーションは完全に一致している。
その不思議な事件の真相は・・・。

予想不能な展開と、大ドンデン返しのラストにど肝を抜かれます。
それは、映画『SAW/ソウ』を初めて見た時の衝撃にも通じます。

『哭声/コクソン』を一言で言えば、韓国版『エクソシスト』です。

劇中の、韓国のまじない師による悪魔祓いシーンが凄かったし、
韓国の独特な文化背景を持った「まじない」が、
妙な恐怖感を煽ります。

人間がいだく「恐怖心」が伝染、
疑心暗鬼と不信感のみが拡大して、
壮絶なラストシーンへと突入する。

見終わった後も、ハッキリしない部分が多く、
珍しくネットで解説サイトを探してしまいました。
そんな作品は、ここ数年存在しません。

ホラー映画というのは、バカにできません。
ホラー映画でしか表現しえない「恐怖」というものがあるのです。

それを表現できている映画は、そう多くはありませんが、
数あるホラー映画の中でも、圧倒的にインパクトがあり、
ストーリー的にも練り込まれていて、
圧倒的に「怖い」映画。

それが、『哭声/コクソン』です。

単に今年の第2位というだけでなく、私の中で、
間違いなくホラー映画「歴代ベスト10」に
入る作品です。

ちなみに、私のホラー映画「歴代ベストワン」は、『エクソシスト』。

『哭声/コクソン』をには、いろいろな意味で
『エクソシスト』に通じるものがあります。

残酷なシーンも多いので一般向けではありませんが、
『SAW/ソウ』を見て「おもしろい!」
と思った人は、見るべき作品だと思います。

追伸1

「精神科医」ではなく、「映画オタク」樺沢紫苑として
ベストテンを選ぶのであれば、
本作が第1位となっているでしょう。

追伸2

『哭声/コクソン』
公式サイトから予告編をご欄ください。
https://kokuson.com/

追伸3

『哭声/コクソン』も既にDVD発売中
https://impulse-ex.com/L2334/h11501/910391

追伸4

1作品5行くらいのコメントで、ベストテンを一気に発表する予定でしたが、
作品を思い出していたら、あまりにも気分が高揚してしまい、
長文になってしまいました。

ということで、第3位以下の発表は、明日のブログで。