書評/映画評

忌怪島/きかいじま ~ホラー映画もハイテクでおもしろくなる!

あまりにも暑いので、
ホラー映画『忌怪島/きかいじま』を見てきました。
全く期待していなかったせいか、かなり楽しめました! 
というか、おもしろかった!!

 
「呪怨」シリーズで一世を風靡した清水崇監督ですが、
『牛首村』(2022年)、『樹海村』(2021年)と、
結局「呪い」「復讐」か・・・
とややマンネリ傾向が続きました。
 
本作は、「脳のシンクロ」「VR(仮想現実)」
「脳波からの視覚イメージの構築」といった
「脳科学」や「IT技術」の最先端をストーリーに盛り込むことによって、
今までの清水作品になかった「恐怖」を作り出しているのです。
  
頭の中で何を考えているのか? 
脳波や脳の電位からビジュアル化するなど不可能だと思うでしょうが、
最近の研究では、非常に原始的ではありますが、
脳の電気信号(何を見ているのか、何を考えているのか)
など、ある程度のビジュアル化に成功しています。
 
また、アイコンタクトや会話などで共感性が高まると、
「脳波がシンクロする」という現象は実際に観察されています。

本作での科学のベースラインは、
フィクション(作り話)ではないのです。
 
後半、やや飛躍のある部分もあるのですが、
それを力業で「納得」させてしまうのが、本作の面白いところ。

また、怖いのは「呪い」とか「霊」とか、そういうものではなく、
生きている人間の差別や偏見だ・・・
というのも、非常に腑に落ちる。
 
そして何より、最近のテックを題材にしながら、
最近流行の「メタバース」ではなかったのが、とてもよかった。
「メタバース」は、もはや食傷気味なので。
 
そして、ユタ(沖縄や奄美のシャーマン)が重要な役割を演じるのも
リアリティがあってよかった。
この地域(沖縄、奄美)では、霊的、スピリチャルなものと生活は、
いまだに切り離せないものがあります。

また、コミュニケーションは苦手だが、人を観察するのが好き
という主人公に、私自身がオーバーラップするのです(笑)。
 
最新のハイテク、脳科学と奄美のスピリチャルな文化の両方を描き、
良い感じで融合させた『忌怪島/きかいじま』は、
新しい挑戦であり、非常に楽しめるホラー映画になっていました。

『忌怪島/きかいじま』樺沢の評価は・・・ ★★★★(4・1)

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