書評/映画評

空母いぶき ~公開前に騒動がありましたが、作品は「おもしろい!」

『空母いぶき』、おもしろい!!  

佐藤浩市が演じる垂水総理は、
「戦争をしない」という国民との約束を必死に守ろうとし、
憲法との板挟みの中で判断をしていくという、
ものすごく「良い総理」として描かれている。

もしこれが安倍総理を模しているのなら、
安倍総理賛美映画だろう。  

しかし、お腹が弱いという描写は、
トイレの「大」の個室から出てくるシーンが一箇所あるだけ。

例の佐藤浩市のインタビューがなければ、
90%の観客は気付かないだろう、その程度のもの。  

『シン・ゴジラ』のような、
政府の無能ぶりが描かれるかと思いきや、むしろ逆で、
外務省の人たちがとても頑張って、
武力ではなく外交で解決しようという描写も多い。  

戦闘シーンも迫力があるし、なにより普通に戦えば圧勝なのに、
敵の船を撃沈して死者を出すと外交的に問題になるから、
敵を殺さず、さらに自分たちも被害を受けずに戦うという、
無理難題を乗り越えていく展開は、
予想不能であり、手に汗握る。
 

協力に「自衛隊」が出ていないのはおかしい、という批判がもあったが、
それまた変な批判。トラブルに巻き込まれないための忖度だろう。
内容的には、自衛隊の大切さがリスペクトを持って描かれている。  

原作では、中国が敵国になっていたが、本作では敵は完全な「仮想国」になっている。
むしろ「中国」に花をもたせるシーンもあるくらいだ。
劇中にも「忖度」ということばがでてくるが、
ものすごい「忖度」映画なのである。
基本的に、姿の見えない「仮想国」以外に悪い人は出てこない。  

「日本が一方的に軍事的攻撃を受けたらどう対応する?」
という作品のテーマに集中させる作りになっているし、
実際に見ていて、「自衛権の行使」がどこまでやられたら発動するんだろう?
と考えさせられる。
 

ということで、テーマ的にも、娯楽的にも非常に楽しめる作品になっていた。
公開前の騒動も、映画見て発言すればあんな発言にならなかったのにと、
とても残念です。

『空母いぶき』樺沢の評価は・・・・・  ★★★★ (4・0)

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