書評/映画評

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 ~「健康に良い食事」のホームラン本!

どんな食事が健康に良いのか?
「食事」についての本が、山ほど出版されています。

本によって、書いてある内容が異なっていたりするので、
どちらが正しいか迷うこともあります。

それだけ錯綜しているのが、「食事」と「健康」についての知識、情報。

先日開催した、
『睡眠・運動・朝散歩 究極の生活習慣セミナー』
のために、何冊もの食事本を読み直しました。

新しく注文したものも何冊もあります。

その中で、「ベスト1」。
つまり、あらゆる食事本の中でナンバーワン!
「健康に良い食事」のホームラン本!
と言える本がありました。

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』
(津川友介著、東洋経済新報社)

 「科学的に根拠のある食事」という点で、
私が読んだ本の中で、もっともわかりやすくシンプルにまとめられ、
理解しやすく、実行しやすいのがこの本。

著者は、UCLA内科助教授、津川友介先生。

本書では、健康に良いかどうか」を科学的根拠の信憑性をもとに
5グループに分類しています。

数多くの研究によって本当に健康に良い
(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)
と考えられている食品は以下の5つ。

(1)魚
(2)野菜と果物 (フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
(3)茶色い炭水化物(玄米、蕎麦、全粒粉のパン)
(4)オリーブオイル
(5)ナッツ類

 逆に健康に悪いと考えられているのは
(1)赤い肉(牛肉、豚肉。鶏肉は含まない、ハム、ソーセージの加工肉は特に悪い)
(2)白い炭水化物 (白米、うどん、パスタ、小麦粉を使ったバン)
(3)バターなどの飽和脂肪酸

の3つ。

健康に悪い3つの食品を避けて、
健康に良い5つの食品を増やせば言い!!
という実にシンプルな食事術。

この本を私が高く評価するポイントは、
「メタアナリシス」「ランダム化比較試験」「観察研究」の違いと、
それぞれのエビデンスの強さの違いについて、
わかりやすく解説されています。

「メタアナリシス」>「ランダム化比較試験」>「観察研究」
の順にエビデンスが強いのです。

一般向けの本でも「エビデンス」の考え方について、
ここまでしっかり解説されている本はなかなかありません。

「科学的根拠」とは何か? 
ということがよくわかるのです。

単なる、1本の「観察研究」の論文を引用して、
「科学的に証明された」と結論づけている
エセ科学ブログのどれほど多いことか。

この考え方を知っていれば、
今後、科学研究の論文、記事を読む場合、
それはエビデンスが強いのか、弱いのかを、
自分で判断することも可能になるでしょう。

「健康に良い食事」に関するありがちな質問は、
ほぼ網羅されています、

個人的には、「白米は健康的ではない」という
部分が意外でした。

科学的に正しい「健康に良い食事」を知りたい人には、
納得の一冊です。

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』
(津川友介著、東洋経済新報社)

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