マーベル初の本格ミステリー・サスペンス
『マダム・ウェブ』。
おもしろかった!
マーベル・ヒーローものが嫌いと公言する私が
おもしろいのですから、広く楽しめるはずです。
混沌とする国際社会。
東西冷戦の頃のような、わかりやすい「勧善懲悪」が
成り立たないご時世。
映画の世界でも、
「勧善懲悪」のストーリーはもはや陳腐でしかない。
マーベル映画では、
サノスという「究極の悪役」を出してしまったので、
それ以上の「悪役」が作れなくなった。
自らのクビを締めてしまったかのよう。
マルチバース設定などを持ち込むものの、飽きられてきている。
最近のマーベル作品は、「迷走」しています。
そんな中、マーベル初の
本格ミステリー・サスペンス
『マダム・ウェブ』。
いいじゃないか!
救急救命士として働く
キャシー・ウェブと3人の女子高生。
全く無力の4人の女性が、スパイダーマン的な力を持った
謎の男に追われる。
そして、逃げる。ただ。それだけ。
ホラー映画のような展開。
いいじゃないか!
唯一の救いは、キャシーの予知能力だけ。
彼女たちが、全くの「無力」であることが、
「どうやって逃げ切るのか?」
「どうやって、敵を倒すのか?」
というおもしろさを強調するのです。
今の時点においては、
マーベル史上最弱のヒーロー(ヒロイン)。
弱くても主役になれる!
ところが、おもしろいのです。
アクション・シーンも少しはありますが、
「謎解き」や「自分探し」が、面白さの主体となっているので、
従来のマーベル作品とは一線を画す。
非常に新鮮に見られました。
コミック版の『マダム・ウェブ』の予備知識が全くゼロで見ましたが、
本作だけで完結して楽しめるのもいい。
もし、スパイダーマン・シリーズを見たことがないという人は、
スパイダーマンことピーター・パーカーは、
幼少期に両親を亡くし、ベン叔父に育てられた、という
基本設定だけは知っておくといいでしょう。
ラスト・シーンでグッと来ること、間違いなし。
4人の女性に共通するのは、
「父親不在」「父性不在」。
結局、頼る存在はいないので、
「自分たちで解決するしかない」という展開は、
近年の父性映画のトレンドです。
派手さもないし、奇をてらったところもない。
そこが、非常に良いのです。
『マダム・ウェブ』樺沢の評価は・・・・・・★★★★(4・1)
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