書評/映画評

宝島 ~モブシーンが凄かった

血湧き肉躍る。
妙に胸が熱くなる。
よくこんな映画、撮ったな。
 
本作を見て、思い出します。
私は、映画の中でもモブシーン、群衆シーンが
大大大好きだった、ということを。

 
例えば、
『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)
のモブシーン、「ニュアンス暴動(徴兵暴動)」を
再現したシーンは、
映画史に残るモブシーンだと思うし、
『ギャング・オブ・ニューヨーク』自体が、
大好きな作品です。
  
大金をかけて、大事件や壮大なスペクタクルを
実際に再現するというのは、映画の醍醐味です。
 
しかし、ここ10年ほど、
スゲーと思うモブシーンは、見たことがない。
  
それは、CGの普及によって、
モブシーンがCGによって処理されてしまうから。
そうなると、途端に迫力がなくなる。
 
例えば、『キングダム』の戦闘シーン。
それは、それで凄いし、
予算の割に頑張っているのですが、
「度肝を拭かれる」ような迫力はない。
 
しかし、
『宝島』の「コザ暴動」のシーンには、
度肝を抜かれました。

 
単に、映像的に凄いということではなく、
抑圧されてきた沖縄人の、負のエネルギーの爆発。

それが、心理描写としても、
見事に描かれているからです。
  
歴史の中の事件として、
前後の流れも踏まえて、
圧倒的な説得力を持って描かれているのです。

これは、
日本映画史に残る、モブシーンと言っても、
過言ではないでしょう。

 
本作の製作費25億円が話題になっていますが、
この映像のために25億円使ったのなら、
凄いお金の使い方だと思います。
「よくやった!」という意味です。
 
妻夫木聡や広瀬すずなど、演技人も頑張っている。
映像、「絵」づくりにもこだわっている。
3時間の作品ですが、全く長さを感じません。
  
圧倒的な力作なのですが、
ストーリー的に、冒頭とライト。
腑に落ちない点(共感できない点)が何ヶ所か
引っかかるのは残念。
 
本作は、
アメリカの沖縄占領時代の雰囲気を生々しく伝えます。

こんな時代があった、ということは、
日本人として知っておくべき。
 
見て損のない作品、と言えるでしょう。

『宝島』樺沢の評価は・・・・・・ ★★★★☆ (4・5)

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