書評/映画評

ブラック企業で苦しくなったらどうすればいいのか?

またまた、良い映画、見ちゃいました。
『ちょっと今から仕事やめてくる』。

ブラック企業に就職し、
あまりの仕事のハードさから自殺しようとする主人公・青山。

小学校の同級生を名乗る「ヤマモト」に命を救われ、
徐々に自分らしさをとりもどしていく青山。

ブラック企業、過酷な環境と自殺。
今、注目されるテーマを、ハートフルなドラマとして、
うまくまとめています。

働く勇気、生きる勇気をもらえる映画。

生きていくうえで「選択肢」というのは、とても重要。

人間は、追い込まれると、周りが見えなくなります。
「視野狭窄」という状況に陥ります。

「自殺」という考えが頭をよぎると、
「自殺」という「選択肢」しか見えなくなるのです。
 
普通の人は、「仕事を辞める」という選択肢を
すぐに思いつくでしょうが、
追い込まれた人は、一つのことしか考えられなくなるのです。

そんなときに「他の方法もある」ということを知るだけで、
自殺ということへのセーフティーネットになるのです。

そんな、第二の選択肢に気付くのは、
自分一人では不可能です。

友人、同僚、家族など、そうした人の言葉に耳を傾けるといいのですが、
追い込まれた人、うつ的になっている人は、
誰とも会いたくなくなるのです。

映画の中でも印象的なのは、
いっぱいいっぱいの青山に、ヤマモトは、

「仕事辞めるか、変えてみたら?」
「家族に会いに行ったら?」
「前向きに仕事に取り組んでみたら?」
「たまに、遊びに行ったら?」
 
といろいろな、選択肢を提案していくのです。

とってもいい対応だと思います。

「会社辞めたら?」「会社辞めたら?」と同じ提案をしても、
「辞められるはずないじゃないか!」と感情的に拒否されるだけです。

いろいろな選択肢を提案することで、
「死にたい」という選択肢が希釈される。

そして、たくさんの選択肢があることで、
ようやく「どれかひとつやってみようか」という気分になるのです。

母親からの電話に、いつもそっけなく対応する青山。
あとから、母親の自分への愛情に気付き、
青山は深く後悔します。

そういうば、私も・・・。
いつも母親からかかってくる電話に、
かなりそっけない対応をしているじゃないか!!
と思って、激しく反省。

翌日、珍しく、自分から母親に電話をかけました(笑)。

そんな風に、この映画を見ると、
何か、今までのスタイルを変えたくなるのです。
 
ということで、
ブラック企業に勤めているのみならず、
仕事が忙しい人、仕事が楽しくない人、
仕事で追い込まれている人。
 
いや、全ての働く日本人に見ていただきたい映画です。

追伸
とりあえず、予告編だけでもご覧ください。

『ちょっと今から仕事やめてくる』予告編