「プチ小説」ゼミ室にて
近未来的な大学のゼミ室。
小さな部屋に6人ほどの学生がいる。
樺沢は、学生に向かって、
代表的な「母性」を扱った文学についての講義をしている。
見ると、ゼミ生は全員女性である。
この作品は、文芸か? それとも論評か?
問題提起をすると、学生一人一人が、
語彙力も豊富に活発に意見を述べる。
最近の学生は、ここまで自分の意見を言語化できるのか?
凄いな。そこで、さらに難しい質問を投げかけた。
雄弁に話していた学生が、突然無言になった。
動きも止まり、固まってしまった。
どうやら、バグが起きたようだ。
よく見ると、ゼミ生の大部分はAI(ロボット)ではないか??
言語化力が優秀なのも当然だ。
人口減少の未来。
子供の人数は減り、生も激減する。
どうやら、少ない学生を水増しするための
ダミーをAIが演じていたのだ。
映画『マトリックス』の世界のように、
電気信号によるビジョンを見せられるのと比べると、
極めて建設的な未来ではないか。
教えている自分と受講生は、
その空間に間違いなく存在するのだから。
いや待てよ。
このビジョン自体は、そもそも実体のない電気信号なのだ。
なぜならば
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なぜならば、これは今朝私が見た夢だから。
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↓
↓
↓
いや待てよ。
↓
↓
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↓
これは、本当に夢だったのだろうか。
いや、間違いなく現実だ。
よく見ると、次のように表示されているのに気付くはずだ。
「2020年代までは、学校では教師と学生とで対面の授業が行われていた。
大学には「ゼミ」という、少人数のグループで討論や研究が
行われる場があった。」
昔の仕事博物館 AI再現展示 「ゼミ室にて」 2052年
講師のAIは「精神科医・樺沢紫苑」の
思考パターンを移植し再現しています。
(終)
追伸
このプチ小説は、本日、Twitterで投稿したものです。
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