今回は、一昨日、昨日に引き続き
『言語化の魔力』感想キャンペーン、最優秀賞の受賞者
の感想を紹介します。
本日は、「ほどぼち」さんの
『言語化とニット帽』をお届けします。
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<最優秀賞:ほどぼちさん>
『言語化とニット帽』
◆ニット帽を手放せない自分
私は、ニット帽なしには、外に出ることができません。
なぜなら、外出先で誰かに出くわすのが、
この上なく怖いからです。
私がニット帽を被り始めたのは、
過労で心身の調子を壊し、休職してから。
休職中、ずっと人の目を気にし、生きています。
「誰かに会ったら、何て状況を説明すればいいのか…」
そんな不安がベッタリ心にまとわりつきます。
休職してスグ、私は人生で初めて、ニット帽を買いました。
ニット帽を目深に被りマスクすれば、顔はほとんど見えません。
ニット帽は外の世界から私を護ってくれるマストアイテム。
けれど最近、息苦しさを感じるんです。
「コソコソ生きることが、つらい…」笑われるかもしれませんが、
社宅に住んでいるため、ゴミ捨ても必死です。
誰かと会わないよう、全速力でゴミ捨て場に走り、
家に駆け戻る自分…会社と連絡するのが、
とてつもなく怖い自分…連絡をしようとするたびに、
汗が噴き出て、ガクンとエネルギーが落ち、
寝込むことも度々あります。
情けなくて、たまりませんでした。
私には、一社会人として基本的な何かが欠けている、
とさえ思いました。
◆自己開示で人生を切り拓くSNS仲間
そんなとき、何気なくメールを見ていると、
あるメールが目に止まりました。
SNS仲間の配信するメルマガです。
読み進めると、
頭をガツンと金槌で殴られたような衝撃を受けました。
そのメルマガでは、
その方がご自身に起きた辛い出来事をとても「軽やか」に、
打ち明けていたのです。
また、メルマガには
「自己開示することで人生の大きな決断ができた」
とも書かれていました。
「スゴイ、こんなに軽やかに悩みを打ち明け、人生を切り拓くなんて…」
勿論その方からすれば、とても勇気のいる行動だったことでしょう。
けれどその自己開示は、とても軽やかなものに見えたのです。
「私もこんな風に心の内を話したい…」
私は心の底から憧れを抱きました。
◆弱さを受け入れるには、打ち明けるしかない
その方と私の差は何か。
それは「自己開示の量」だと思いました。
少し話は飛びますが、
精神科医・樺沢紫苑さんはご著書『インプット大全』で
次のようにおっしゃいます。
『アウトプットできた量がインプット量に相当する』
これは「自分の弱さ」にも当てはまるのかもしれません。
「自分の弱さを受け入れよう」って、
いくら頭で考えてもなかなか受け入れることはできませんよね。
結局は、弱さをアウトプット(自己開示)することでしか、
弱さを受け入れることはできないのかもしれません。
◆ただ心の内を語るだけでいい
とはいえ、自己開示をすることは、恐怖を伴います。
上手く話せる自信がない…
しどろもどろになる自分が嫌い…
相手の反応が怖い…
話して一体どうなるのだろう…
どうしても勇気が出ない…
そんな時に出会ったのが
樺沢紫苑さんの本『言語化の魔力』でした。
悩み解消の決定版。私は貪るように本にのめり込みました。
その中で、この言葉が、私の心をドーンと貫いたのです。
『「相談しよう」ではなく、「ガス抜きしよう」。
問題の解決を目的とせず、ただ困っていること、
悩んでいることなど、何でもいいので話すだけです。』
頭の思考回路がパチっと切り替わる音がしました。
「ただ心の内を話すだけでいいのか…」
そこには、技術も必要ありません。
話をきちんと着地させる必要もありません。
淡々と想いを話す「作業」と捉えれば、
もしかしたら勇気すらいらないのかもしれません。
「そうか、『作業』をただ繰り返せばいいんだ」と思いました。
この練習を繰り返せば、いつか「実はめっちゃ困っているんだ、ハハッ」
って、けろりと悩みを話せる自分がいるかもしれない。
そんな自分に少しでも近づきたいと、強く思いました。
◆心の内を話す練習をする
「よしっ…話そう」
私は、まずは妻に、今の心境をぽつりぽつりと話しました。
情けなさなど、今の心境を、正直に吐露したのです。
すると妻は優しく言いました。
「きっと心の傷がふさがっていないんだね」と。
そのとき「あっ」と心がパチンと音を立てたのです。
「そっか、私は、職場復帰が怖かったのか…」そんなことに、
妻の言語化で、初めて気づいたのです。
「調子が戻ったので復職します!」
ずっとそう言いたい自分がいました。
だから、心は「職場復帰が怖い」と叫んでいたのに、
私はそれに気づかないフリをしていたんです。
けれど、心に嘘をつくことは、とてもしんどいこと。
妻の言葉で本心に気づけ、心が癒やされました。
次に、カウンセリングの先生に、心情を打ち明けました。
すると、先生はこのように言いました。「
頭で分かっていても、いざ現実の世界で実践に移すと、
心が乱れ、体の症状に表れます。自分を責める必要は全くありません」と。
「そっか…私だけじゃないんだ」と思いました。
皆それぞれの現実で、もがきながら生きている。
決して一人じゃないと思えました。
そして、先生はこのようにも言いました。
「それでも、現実の世界で、実践し、もがきながら、軌道修正を図ることは大切。
その過程で、心の安定を得ることができる」と。
「確かに…」と思いました。現実の世界で、
自分の言葉を話す大切さを感じました。
やはり踏み出す必要がある、と思いました。
いや、踏み出して、胸を張り生きたいと思ったんです。
そこで私は、休職後初めて、会社の尊敬する方に連絡をとりました。
指は震え、胸も不安でいっぱいです。
けれど、「思ったことを淡々と伝える訓練なんだ」
と自らを何度も鼓舞し連絡しました。
すると、スグにその方から返信がありました。
そこには、こう書いてありました。
「誰よりも、まずは自分で、
これまで頑張ってきた自分を褒めてあげてください。
ここまで、本当に頑張ったのだと思います」と。
私は嗚咽して、涙が止まらなくなりました。
私の苦しかったり、もがき続けてきたことを理解してくれる人がいる。
そんな人がいる奇跡に、感謝の想いがとめどなく溢れ出しました。
心の中に「受け止めてもらった安心感」と
「弱みを打ち明けることができた前進感」が、
じわーっと広がりました。
もちろん状況は大きく変わっていません。
けれど言語化することの癒やしは、
想像を超えるものがあったのです。
◆ニット帽を脱ぐ自分を目指して
これから先も、悩み、苛立ち、心乱れることは沢山あると思います。
そのたびに、自分の弱さを責めることも、あるでしょう。
想像するだけで、とても不安な気持ちに駆られます。
けれど「それはそれとして」今やれることは、もう決まっています。
それは、「自分の想いを打ち明ける」作業を淡々と繰り返すことです。
技術も勇気もいらない。ただ想いを話す練習を繰り返すこと、
それだけです。
いつか「いやぁ、こんな情けない自分で、困っちゃうよ~」
ってあっけらかんと言える日が来るのでしょうか?
まだ正直分かりませんが、私は、未来の自分を信じたいです。
ニット帽を脱ぎ捨て、ありのままの素顔で、胸を張り、
堂々と世界を歩く、そんな日が来ると信じて…
私は言語化を続けます。”
△ △ △ ここまで △ △ △
私たちの心に迫ってくる
「自己開示」が凄いです。
なかなかここまで、「言語化」して、
さらにたくさんの人が読まれる場所に投稿する、
というのは、もの凄い「勇気」が必要だったでしょう。
逆に、ここまで言語化できているのですから、
ニット帽を脱ぎ捨てる日も近いのではないでしょうか。
ほどぼちさんのブログはコチラから
https://hodobochi.com/hikkoshi/
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お勧めです。
追伸
『言語化の魔力』感想キャンペーン、
最優秀賞、受賞者の感想文を樺沢が朗読しています。
是非、動画(音声)でも、お楽しみください。
0:00:01 動画を最初から視聴!
0:04:21『言語化の魔力』感想キャンペーン 最優秀賞発表!!
0:05:33 最優秀賞「ダイダイ」さん 樺沢の朗読
0:17:58 最優秀賞「ずけどん」さん 樺沢の朗読
0:32:08 最優秀賞「ほどぼち」さん 樺沢の朗読
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