最近、「哲学」ブームが徐々に盛り上がっています。
書店に行くと「哲学」をわかりやすく解説した本が
たくさん並んでいますが、
手にとってパラパラと読んで見るものの、
「やっぱり難しそう」と戻してしまう人が多いと思います。
実は、私もその一人です。
精神科医というと「哲学に詳しそう」と思われがちですが、
心理学の方が具体的な問題解決をしてくれるような気がして、
哲学の本を読む暇があれば、心理学の本を読んでしまいます。
以前、「自殺」について研究していたので、
キルケゴールの『死に至る病』とその解説書はけっこう読みましたが、
私の書棚を見ても、それ以外に哲学の本は、見当たりません(笑)。
とはいえ、これだけ「哲学」が流行ってくると、
哲学も少し勉強してみたい、という気持ちも出てきます。
何か、とっきやすく、読みやすい入門書はないのか?
と思っていた矢先に出会ったのが、
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』です。
私は、ご存知のようにYouTubeで悩み相談をしていますので、
人間にとっての基本的な悩みについて、
有名な哲学者がどのような「答え」を出しているのか、
興味があったので即買いしました。
この本では、
「忙しい、時間がない」
「お金持ちになりたい」
「緊張してしまう」
「家族が憎い」
「死ぬのが怖い」
など、25の誰もが持っているであろう、
非常によくある悩みについて、
25人の異なる哲学者の「答え」を紹介しています。
悩みについての「答え」を紹介しながら、
25人の哲学者を紹介している。
その哲学者がどんな思想を提唱しているのかについても
短く要約されていますので、
「悩み解決本」でありながら、「哲学の入門書」として
上手に構成されています。
一番関心したのは、こうした生きることについての「難問」について、
1問1答で要約されていることです。
例えば、
「夜、孤独を感じる」に対するショーペンハウアーの答えは、
「孤独を愛する人は、金鉱を手に入れたようなものだ」。
「人生がつらい」に対するハイデガーの答えは、
「死を自分ごとととらえたときに、ひとは自分の本来的な生に目覚める」。
「やりたいことはあるが、行動に映す勇気がない」に対するデカルトの答えは、
「困難を分割せよ」、といったように。
人間が悩むのは、どうしていいかわからないから。
その「方向性」が示されることで、人間は「安心」に向かうのです。
ただ読んで思ったのは、哲学というのは、
「思考実験」であり、具体的にどう行動するのか?
「明日から、何をすればよいのか?」についての示唆が弱いな、ということ。
心理学は考え方や観念を変えるのではなく、
「行動」を変えることを目的としているので、
私としては哲学よりも心理学が好きだな、と改めて思いました。
ということで、
アリストテレス、デカルト、ヘーゲルといった、超有名な哲学者が
「どんな感じのことを言っているんだろう?」という哲学の全くの初心者。
哲学について簡単な本を一冊読んでみたい、という人には
読みやすく整理された一冊として、お勧めです。
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』
(小林昌平著、文響社)
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