書評/映画評

Arc アーク ~不老不死は人を幸せにするのか?

2週間ぶりに、映画を見ました。『Arc アーク』。
アーティスティックな不思議な作品です。

不老不死が現実となった近未来。
人類で初めて永遠の命を得た女性をめぐる物語。

近未来のSF映画と思いきや、エンタメ色はほとんどゼロ。
音楽も何ヶ所かは使われていますが、基本、セリフだけ。
未来的な都市の映像もありません。

「生」と「死」とは? 
「生きる」意味とは? 
不老不死は、人を幸せにするのか? 

哲学的なテーマが、淡々と積み上げられていきます。

この硬派なSF観は、
そう、70年代のSF小説を彷彿させる。
私としては、懐かしい空気すら感じます。

不老不死の社会とは、
健康の幸福(セロトニン的幸福)が、確保された社会。

そこで重要なのは、つながりの幸福(オキシトシン的幸福)
しかないのですが、映画でもやはりそのように描かれています。

老化は防げても、病気や事故で死ぬ可能性はあります。
不老不死の社会において、パートナーや子供が、
万が一死亡した場合、その悲しみは半端ないのです。

やはり、人間の幸福において、オキシトシン的幸福は不可欠なものだと、
改めて実感します。

主人公は、『累-かさね-』の芳根京子。
『さんかく窓の外側は夜』などの岡田将生のほか、
寺島しのぶ、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫ら、
豪華俳優が脇を固めますが、
彼らの自己主張しない抑えた演技がまた良い。

ラストは、号泣するかと思いきや、そこまではいかない。
ラストもまた淡々としている。
万人向けではないけども、じわっとくる作品。
私は、好きです。

『Arc アーク』樺沢の評価は・・・ ★★★★☆ (4・2)

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