書評/映画評

大怪獣のあとしまつ ~コメディ映画として秀逸(笑)

映画『大怪獣のあとしまつ』。
全く期待しないで見たら、意外とおもしろかった。

『シン・ゴジラ』の前に本作が作られていたら凄かったのでしょうが、
『シン・ゴジラ』の政治風刺の二番煎じにしか見えないところがつらい。
「笑い」の割合は、かなりパワーアップしていますが・・・。

コメディとして、かなり笑える。
攻めた笑いになっている。

ただ、『新解釈・三國志』のような、
攻めすぎた笑いになっている、かもしれない。
私は、かなり笑えたので、その点は満足しています。

一方で、コメディと思わずに見た人は、
目がきょとんとするかもしれません。

日本の「縦割り行政」の馬鹿らしさの、
徹底した風刺に大笑いしながらも、
それはほとんどの現実なので、実は笑うに笑えないという・・・現実。

本作の政治家の対応は、
コロナ禍の、「ことなかれ主義」の対策とも言がたい
「やってる感」を出すだけの不毛な対策に
そのままオーバーラップしているのです。

個と公のテーマ。

アメリカ映画では、「公」(国家、組織)のしがらみに対して、
個人の反抗や自己犠牲で、問題解決するパターンがほとんど。

日本映画では、「公」(国家、組織)のしがらみに対して、
「グレー・ゾーン」で、うまいこと乗り越える。
結果オーライで、よかったね。的な作品が多い。

本作のラストシーンは、賛否両論ありそうですが、
「白黒をつけるアメリカ映画、に対して白黒つけない日本映画」
という、過去の傾向に照らして考えると、
私としては「おもいきった結末」に思えるのです。

今後、コロナの再拡大や、大きな災害なども起きるかも知れません。
日本という国は、一体、どうなってしまうのか? 

個人の活躍で、それを救えるのか? 救えないのか? 
と考えたときに、現実的には一個人が何を頑張っても変わりようがない
不毛な現実しか見えません。

まあ、そんな「未来」に対するシミュレーションを
本作が観客に少しだけでもさせることができたなら、
本作は、十分に映画としての存在価値があった、
と言えるかもしれません。

『大怪獣のあとしまつ』 樺沢の評価は・・・ ★★★☆ (3・9)

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