書評/映画評

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト ~小さな成長が、最高の幸せ!

感動した!! 
『特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト』が良かった!!

 
京都アニメーションの繊細な作画、繊細な心理描写。
高校生吹奏楽部の日常的な部活の場面に、魂が揺さぶられる。
 
仲間からの言葉に動揺し、勘ぐったり。
一報で仲間の言葉に励まされ、勇気付けられる。
「承認して欲しい」と自分からは言わないが、
「承認されない」と妙に寂しいし、つらいのです。
敏感な高校生の心理が初々しい。

新しく吹奏楽部の部長になった久美子。
・・・・・・

そして、自分も高校のとき部活(映画研究会)に、
真剣に取り組んでいたなあ・・・と思い出します。
懐かしい気持ちがわき上がりました。

やはり、高校時代に何かに打ち込むというのは、
人生の財産になるのです。

言葉にすることの大切さ(言語化)
楽しむことの大切さ(まいたの)
に気付いて、成長していく。

私の好きなシーンは、
技量不足でチームの足を引っ張るマリンバの「つばめ」
に、個別練習を持ちかけるシーン。

つばめの演奏を、観察する久美子。
つばめのちょっとした「癖」を発見すると、
つぱめはすぐにコツを掴み、見違えるような演奏をするようになる。

それは、ほんの「小さな成長」に見えるかもしれないが、
「つばめ」にとっては、とても大切な体験になったに違いない。

そして、「つばめ」の成長を、自分のことのように喜ぶ久美子。

後輩を気付かい、後輩の成長をちっょとだけサポートする。
つばめをプチ成長させた久美子もまた、その瞬間に「小さな成長」、
いや非常に大きな成長をしたに違いありません。

私がよくいう「他社貢献」「他人への気づかい」とは、
まさにこういうこと。

それを、「頑張る」でもなく、「気負う」わけでもなく、
自然体でできてしまう久美子が凄い。

そこに「気づかい」の理想型を見た気がして、
涙がボロボロと流れます。

そして、久美子には「部長」としての、
「自覚」「自信」というのも、少しずつ育っていくのです。

私のYouTubeに
「自分に自信がないです」
という質問がよく届きます。

そんな人は、「自信」というキーワードに注目して、
本作を見て欲しい。

みんな自分に自信がないのです。
それが、当たり前。

それでも、
おっかなびっくり、
新しいことに挑戦していく。

その原動力は、
「楽しい」だったり、「つながり」だったり。
「向上心」だったり、人それぞれ。

「小さな挑戦」を繰り返しながら、
「ちょっとだけ自信」をつけていく。

それが普通。
それが当たり前。

登場人物には、「小さな成長」が見られます。
それは決して「大きな成長」でもないし
「大きな成功」でもないのですが、
本人にとってはかけがえのない財産になっています。

結局それが自己肯定感につながっていくし、
他人を承認する心の余裕にもなるのです。

本作を見て「自信」につながるのは、
「成功体験」でなくていい・・・ということ。

真摯に取り組むプロセス。
仲間の支え。
そこから生まれる、本当に小さな「プチ成長」が、
「自信」の種となるのです。

生徒たちに自分で考えさせる。
滝先生のニュートラルなスタンスも素晴らしい!

楽曲の演奏シーンが極端に少ないのですが、
少ない分、決めて使うので、
演奏シーンが微笑に感動的で、その音色が魂を揺さぶります。
 
57分の中編アニメーション。
見るかどうか迷いましたが、見逃さないで良かった!! 

自分の高校時代にタイムスリップした57分間。
見る人を幸せにする映画!!

『特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト』
樺沢の評価は・・・・・・★★★★☆(4・7)

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