『Fukushima 50』ここ数年で見た、数百本の映画の中で、最も泣けた映画。
『アルマゲドン』を軽く超えている。
というか、リアル『アルマゲドン』。
今、私たちは生きている。
日本が放射性物質に覆われて壊滅していないのは、
彼らの「命がけ」の活躍があったからだ。
震災直後、福島原発で何が起こっていたのか?
そして、現場ではどう判断し、どう行動したのか?
今までも、断片的には聞いた話が多かったが、
改めて時系列でみると、すごい迫力である。
どうやって撮ったのかわからないが(当然セット撮影だろうが)、
現場で撮ったとしか思えないリアルな映像の迫力が凄い。
そして、渡辺謙、佐藤浩市といった日本を代表する役者が
勢揃いしているのも見所である。
それにしても、
よくこんな映画を作れたものだと感心する。
この映画がコロナ感染で危機を迎えている
今の日本のこの時期に公開されたのは、
偶然とは思えない。
おそらく今の首相官邸でも、
同じような混乱と迷走が繰り広げられているのであろう。
そしてそれは、何年かしてから暴露されるのだろう。
日本人には、「危機管理」という発想がない。
現場に全権を与えて、上層部は責任だけをとればいいのだ。
本作を見ればわかるが、上層部も首相官邸も、
横ヤリばかりで、ある意味「人災」である。
今回のコロナ感染においても、
日本にアメリカのCDCのような組織がないから、
専門家集団もいないし、
マニュアルもあってないようなものだろう。
日本人には「危機管理」がない!
そんな「危機管理」についての問題も、深く考えさせられる。
社会派が苦手な人も、ヒューマンドラマとして、十二分に楽しめる。
家族の描写などを随所に挟んだのはうまいし、
渡辺謙と佐藤浩市の友情部分もジーンと来る。
「現実の事件」とは別な、映画としての演出部分においても、
「うまい!」と思わせる演出が随所にあった。
4回、号泣した!
去年の映画で照らし合わせると、
「ベストワン」でおかしくない水準。
まぎれもない傑作である。
樺沢の評価・・・★★★★☆(4・8) /5点満点
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