書評/映画評

ゴーストバスターズ/アフターライフ ~俺には、昔を懐かしんでいる暇はない!?

かみさん「ゴーストバスターズ見た?」
樺沢「見てない。昔を懐かしむだけの映画を見ても時間の無駄!
そんな暇あるのなら、新しい映画を見た方がいい」
かみさん「でも、父性の映画なので見ておいた方がいいよ。」

そこまで言うなら見てみるか・・・と思い、
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』を鑑賞。

結果は、




感動した!

主人公の少女フィービーに圧倒的な存在感があり、超魅力的。

コミュニケーション下手で友達もいない。
けども、彼女は圧倒的な「好奇心」を持っているのです。

「好奇心」とは、AI時代を生き残るために必須の能力。
そう、こういう子がAI時代活躍する大人に育っていくのです。

ストーリーは、何の変哲もないありがちなストーリー
(80年代の映画を彷彿させる、チョーシンプルな展開)
なのに、フィービーと新しくできた友達
ポッドキャストとのやりとりに、
グッと引き込まれます。

そう、人物描写が秀逸すぎるのです。

『ゴーストバスターズ』旧作の監督アイバン・ライトマンから、
本作はメガホンを引き継ぎ、
息子のジェイソン・ライトマンが監督しています。

ジェイソン・ライトマンと言えば
『JUNO ジュノ』『マイレージ、マイライフ』の監督じゃないですか! 
先に言ってよ。
人物描写が、上手いはずだわ。

父性は、必ずしも「父親」が担わなくていい。

映画を通して「父性」を徹底的に分析した
拙著『父滅の刃』https://amzn.to/2CbLsdT
にも、そう書かれていますが、
本作ではフィービーの「祖父」がそれを担うわけで、
実の父親は全く登場しません。

つまり、「フィービーの父親探し」というものが、物語の骨子。
そして、最近の作品の多くがそうであるように、
「息子による父親探し」ではなく、
「娘による父親探し」というのが、最近のトレンド。
本作もそうなっています。

実は、「フィービーの父親探し」とは別に
「フィービーの母親の父親探し」のテーマが
同時に進行している点も興味深いです。

クライマックスでは、旧作ファンが喜びそうな
「懐かしいシーン」が出てきますが、これは鉄板ですね。
感動必至。ズルいとも言えます。

私が『ゴーストバスターズ』を見たのは、
19歳のときで、年間200本映画見ていた、
バリバリの映画オタクだった頃。

当時の記憶も映画とともに蘇るし、
ビル・マーレイとか出てくると、泣けてきますわ。
自分も年をとったなあ、という「想い」も含めて。

本作の良さは、
「懐かしい」という解雇映画に終わるのではなく、
「受け継ぐ」「継承」というテーマが、
非常に強く盛り込まれているところ。

ジェイソン・ライトマンが、
父親からメガフォンを受け継いでいるのもそうだし、
主人公のフィービーが、亡き祖父から
自分の生きる指針を「受け継ぐ」のです。

つまり、ベクトルが「過去」ではなく、
「未来」に向いているという点が、
非常に映画を見た後にポジティブな気持ちにさせるのです。

昔の『ゴーストバスターズ』良かったよね。
懐かしいよね、という懐古映画ではないのです。

小学生くらいの子供連れの親子客が、
結構たくさんいましたが、
子供はこの作品を見ておもしろいと思うのかなあ? 

とりあえず、本作が気になる人は、
まずは『ゴーストバスターズ』(1984年)を見てから
鑑賞した方がいいでしょう。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』樺沢の評価は・・・★★★★ (4・2)

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