書評/映画評

『君たちはどう生きるか』のポイントを1行で言うと

宮崎駿監督。凄い映画を作りましたね。
私は、大大大好きな作品となりました。

 
見終わった直後、私も含めほとんどの観客は、
頭の中が「?????」になったはず。

でも別に難しい話ではないのです。
「?????」になるように意図して作っているのですから。
 
君たちはどう生きるのか? 



もっと悩め! 自分で考えろ! 
 
以上。

『君たちはどう生きるか』のポイントを1行で言うと、
私は「もっと悩め! 自分で考えろ!」になると思います。

 
吉野源三郎氏の『君たちはどう生きるのか』は、
もっと悩め! 自分で考えろ! 若いうちに悩めば悩むほど、
それが結果として大きな力となっていく。
というメッセージが込められた1冊。
 
吉野氏の『君たちはどう生きるのか』と、
今回の映画はストーリー的には無関係のように見えますが、
「もっと悩め! 自分で考えろ!」というエッセンスは、
まんま引き継いでいると言えます。
   
この映画の中で、考えるための材料は山ほど提供されています。
どう生きるべきか? 
あなたの答え(自分の答え)は何なのでしょう? 
 
頭の中が「?????」になった人は、
GoogleやTwitterで検索して誰かの解説を探しているかもしれません。
しかし、それは、「あなたの生き方」の答えにはならないのです。

「あなたの生き方」の答えは、他人の投稿の中にはない。
だから、自分で映画と向き合い、自分自身と向き合い、
自分で考えるしかない。

主人公の真人が、自分の母親喪失のトラウマと向き合い、
乗り越えたように。
 
全く分からない! 自分では考えられない
そうした「思考停止」「思考放棄」をした人が、
本作を「駄作だ!」と論じてしまっているのは、
とても残念なことです。
 
だって、わからなくて良いのです、から。
エンディングで、「?????」になって当然なのです。
そのように、仕向けているのですから。

 
「最高の人生の生き方は、○○すべき!」
みたいな、わかりやすい、安直な答えは、
本作には描かれていないのです。
だから、わからなくて当然なのです。

でも、手掛かりやヒントはたくさんあります。
過去の宮崎作品の断片やキャラクターの片鱗が、
本作にはちりばめられています。
 
宮崎駿が本作に込めたメッセージやそれぞれのシーンの解釈などは、
他人の投稿や記事からも知ることができるでしょうが、
あなたの「生き方」の答えは、あなたにしか導けないのです。
 
世界を救うな! 自分を救え!
もっと自分と向き合おう!
自分の中に、答えを探せ!

 
一見、極めて不親切なエンディング。
しかしながら、宮崎監督は観客に託した。
いや、「観客の力」を信じた。
なんという凄い勇気でしょう。
だからこそ、「凄い映画を作ったな」と思うのです。
 
『君たちはどう生きるか』樺沢の評価は・・・ ★★★★★(4・8)

追伸
とはいえ、わかりやすい解説を読みたい人は多いでしょうから、
引き続き映画『君たちはどう生きるか』について、
語っていきます。

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