書評/映画評

波風を立てない仕事のルール ~意識低い系の人に向けたビジネス書!?

ビジネス書や自己啓発書のほとんどは、
「自己成長したい!」「成功したい!」といった
向上心のある意識高い系の人に向けて書かれています。

しかし、 『波風を立てない仕事のルール~「逆説」の働き方指南』
(尾藤 克之著、きずな出版)
は、全くそうではありません。

すごく成功したいわけではないけど、
人間関係で波風を立てたくない。

あるいは、上司に気に入られて、
あまり頑張らないで上手に立ち回りたい。

そんな、
あまり向上心のない意識低い系の人に向けて書かれた、
レアな一冊です。

第1章 事を荒立てない謝罪の鉄則
第2章 危険を冒さずリスクをかわす
第3章 上司に気に入られる仕事術
第4章 ご機嫌をとってうまいことをやる
第5章 文章で下手を打たないために

など、かなりユニークです。

具体的なノウハウとしても、
#まず謝ろう
#上司に言質を取られないようにしよう
#言い訳を用意しておこう
#怒っている相手からは逃げよう
#手柄は上司に譲ってしまおう
#ゴマすりのプロになろう
#方針のブレは受け入れよう
#事態をわざとおおげさにしよう

など、今までのビジネス書には、
なかなか書かれていないユニークな対処法が示されます。

上を上を目指していく仕事術と
無理せず、こじれず、楽に働いていくノウハウでは当然異なるわけですが、
後者のノウハウというのは、
実はほとんど本として世の中に出ていなかったと思うのです。

本文で示される例も、
「電車が遅延した場合、どのように謝るか?」とか、
生々しいほど具体的な例が多く、非常に実践的で、
実際の場面でも使いやすい本になっています。

ただ一点思ったのは、この本を本当に必要としている人は、
この本を読むのだろうか、という疑問です。

文化庁の調査によると、
日本人の47・5%は、漫画以外の本を読まない、
年間読書量が「0冊」です。

つまり、日本人の半分は本を読まない人たち。
「仕事は無理せずほどほどで良い」という意識低い系の人たちの多くは、
ほとんど本を読まない人たちのはずです。

つまり、ビジネス書など滅多に読まない意識低い系の人たちは、
書店でこの本を手に取るのか? という疑問が残ります。

あるいは、「仕事はほどほどで良い」と、
仕事人間とは真逆の生き方を望む若者は増えていると言いますから、
実はこの「波風を立てない」という切り口は、
ひょっとして多くの若者に響くのかも、という気もするのです。

自己成長したり、新しいことを身につけるのではなく、
今持っている自分のスキルでも、様々な問題に実は、上手に対処できるのだ。
という、切り口で読むと、
この本は「意識高い系」の人にも、
いろいろと学ぶべき点が多い一冊かもしれません。

『波風を立てない仕事のルール~「逆説」の働き方指南』
(尾藤 克之著、きずな出版)
https://amzn.to/2XLxODc

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