「死にたい」と悩んでいる人は多いはず。
私も、動画などで、
「死にたい」人に対してメッセージを発信していますが、
どこまで響いているのかわかりまぜん。
『「死にたい」をやわらげる方法』(2分44秒)
精神科医の説教めいたアドバイスは、追い込まれた人たちには、
あまり響かないのではないのか・・・と危惧しながら、
一人でも動画を見て、自殺を思いとどまってくれるといいなあ、
と思って発信しています。
精神科医の「自殺しないで」という呼び掛けは響かなくても。
実際に悩み、苦しみ、絶望し、「うつ」に陥り、
マンション12階から飛び降りたモカさんの言葉なら響くかもしれない。
『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』
(モカ、高野真吾著、光文社)
を読んで、そう思いました。
自殺の体験談といっても、自殺が成功した人は死んでいるので、
体験談は語れません。
リストカットした人の体験談はネットで出ているでしょうが、
マンション12階から飛び降りた人、
つまり「本当に死を覚悟した人」の思いや気持ちというのは、
なかなか知ることができない、のです。
そんな、極限状態の心理を、本書では垣間見ることができます。
迷い続けた10代。
年収1千万円を稼いだ時代。
性転換手術。
漫画家になる。
「うつ」になる。
そして、自殺。
全身骨折、内臓破裂の「痛み」との戦い。
最後には、無償で自殺を考える人たちの悩み相談にのる
「貢献」の境地に。
ジェットコースターのような波乱の人生を経験したモカさん。
「うつ」や「孤独」の極限の心理も経験しており、
その心理状態を描いた漫画も掲載されています。
本当に苦しい「うつ」や「孤独」を彼女自身が経験しているだけに、
「死にたい」と悩んでいる人も、
どこか彼女の気持ちや体験に共感するところがあるでしょう。
患者さんから、
「先生には、本当に死にたい人の気持ちはわからない」
と言われることがあります。
確かに私は、本気で死のうと思ったことはないので、
想像や共感でしか、「死にたい人」の気持ちは理解できません。
しかし、この本の著者、モカさんは、
「死」の極限状態をリアルに経験しているわけで、
「死にたい人」の気持ちが相当に理解できると思うし、
逆に彼女の言葉なら、素直に受け入れられるのではないか、
と思うのです。
本書は、ライターの高野真吾さんのルポルタージュ形式で
書かれているのも興味深いです。
ライターの客観的な観察が間に挟まっているので、
モカさんが飛び降りたマンションを2人で訪れた出来事も、
非常に淡々とクールに描写されています。
ドロドロとした心の体験を本人が書くと、
生々しい表現になってしまいますので、
そうした文章を今「死にたい」と思っている人が読むと
悪影響を受ける可能性も懸念されるのですが、
本書の場合は、客観性がしっかりと保たれているので、
安心してお勧めすることができるのです。
巻末に書かれている「メンタルを強くする14か条」も
興味深い。修羅場を経験した人は、メンタルについて
どんなアドバイスをするのか?
第3条 「忙しくしすぎない、暇になりすぎない」
第12条「素直になる。心の声に耳を傾ける」
第13条「攻撃しない、受け入れる」
など、心にしみる言葉がたくさん書かれています。
「死にたい」と思っている人。
「死」についてよく考える人。
人生がいやになっている人
などに読んでいただきたい一冊。
間違いなく、そんな気持ちが、少しは変化するはずです。
『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』
(モカ、高野真吾著、光文社)
追伸
修羅場をくぐり抜けた人の経験や言葉には、重みがあります。
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