書評/映画評

すぐやるスイッチ ~元議員秘書のブラック仕事術

【20日間連続書評チャレンジ】第2弾は、

『「明日やろう」「後でやろう」がなくなる すぐやるスイッチ』
(尾藤克之氏、総合法令出版)

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Amazonで「やる気」と検索すると、3000件以上がヒットします。

「やる気」の本は山ほどある。
タイトルに「やる気スイッチ」が入った本だけで何冊もあります。

本書は「やる気スイッチ」ではなく、
「すぐやるスイッチ」ですが、
それにしても「レッドオーシャン」に挑む本です。

類書が多いということは、
「市場がある」「ニーズがある」ということでもありますが、
私ならこのタイトルでは出さないなあ・・・
と思いながら本書を読み始めます。

『すぐやるスイッチ』という平凡なタイトルとは裏腹に、
内容は、かなり「毒」のある話です。

私はビジネス書は、数えられないほど読んでいるので、
どの本を開いても、だいたい同じことしか書かれていない。

自分の知らない内容が、たくさん書かれている本など、
滅多にないのです。

しかしながら、この本を読んでいくとハッします!

# 間違いを指摘されたら解釈の違いだと突っぱねろ
# 間違いを認めることで、バッシングされる方がリスク
# 上司の武勇伝こそ、時間をかけてたっぷり拝聴
# 心理学テクニックは諸刃の剣 利用はほどほどに
# 心理学テクニックはビジネスに向かない
# ビジネスでは小手先のワザではなく自然に振る舞う
# 正論や持論に注意しろ!、時としてマイナスイメージを与えてしまう場合がある
# 人間関係でトラブルになったら本人に直接原因を聞く
# 上司の「宴もたけなわ」を真に受けない
# 手柄は上司に渡してしまえ
# 自分が正しくても相手を論破してはいけない

かなり強引というか、無茶というか、
勇ましいというか。

今までのビジネス書に書かれていた内容とは、
全く「真逆」な内容もあります。

例えば、
「心理学テクニックはビジネスに向かない」というのは、
心理学ノウハウを満載した『アウトプット大全』に
喧嘩を売っているとしか思えません(笑)。

あるいは、聞いたこともなかったような、
予想外の解決法が示されています。

例えば、
「人間関係でトラブルになったら本人に直接原因を聞く」。

本人に直接聞くのは、一番いいに決まっていますが、
今までこれをやったことがある人は、非常に少ないと思います。

やるのに心理的抵抗がありますが、実際にやってみて、
教えてもらえるならぱ、一瞬で「解決」に近づきます。
考えてみれば、ベストの方法であります。

やや毒のあるラジカル(急進的、革新的)な仕事術が多いのは、
著者の尾藤克之さんが、元議員秘書だからです。

ライバル政党、ライバル議員としのぎを削る政治の世界。

のんびりと様子をみているような悠長な余裕はなく
「すぐやる力」がなければ、瞬時に淘汰される世界です。

トラップにかけられて引きずり降ろされたり、
揚げ足を取られたり、小さな失敗で大きくバッシングされたり。
血で血を洗う壮絶な世界。

そうした、ブラック世界で生き抜いてきた尾藤さんならではの、
仕事術が本書には凝縮されています。

この本を読んで、
私はいままで恵まれた職場で仕事をしてきたのだなあ、
と思いました。

少なくとも、「人をトラップにかける」「トラップにかけられる」
といった話は、今まで考えてもみなかったからです。

ビジネスにおいても競争の厳しい世界。
同じ社内でも「抗争」や「派閥争い」、出世競争が激しい世界では、
たった一回の失敗も、出世競争から脱落してしまう原因になりえる。

そういう、熾烈でブラックな闘いを生き残らないといけない環境
で仕事する人には、
「インプット→アウトプット→フィードバックで自己成長しよう」
とかいう、悠長な時間的余裕はないかもしれません。

厳しい競争にさらされている人にとっては、
そこで本書の「すぐやる」「今日やる」「今やる」。
先延ばししない、今すぐ結果を出す仕事術が大いに役立つはずです。

本書では、今までの尾藤さん「書き方」「文章術」の本にはなかった、
政治の世界の話や、議員秘書として苦労したエピソードが、
散見できるのもおもしろい。

毎週のように締め切りがある仕事。
放置すると人の命に関わる仕事。
競争が厳しく、一瞬の出遅れが命取りになる仕事。

そんな、シビアに仕事をしている人にとって、
「すぐやるスイッチ」は、「自己成長スイッチ」以上に
緊急性のあるスイッチとして必要なのです。

すぐ行動うつせない人。
先延ばし癖のある人に、非常に役に立つ一冊。

『「明日やろう」「後でやろう」がなくなる すぐやるスイッチ』
(尾藤克之氏、総合法令出版)

追伸
ただ、タイトルはもっと毒のあるタイトルにしてほしかった。
例えば「元議員秘書のブラック仕事術」とか。

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