書評/映画評

To Leslie トゥ・レスリー ~依存症は、回復可能

映画『To Leslie トゥ・レスリー』に
打ちのめされました。

 
シングルマザーのレスリーは、
宝くじに当選して高額の賞金を手にしますが、
数年後にはそのお金を全て酒で使い果たしてしまいます。
行き場を失ったレスリーは、ホームレスのような状態に・・・。

とにかく人を傷つける。人の信頼を裏切り続ける。
何度も何度も、裏切り、大切な人がドンドン周りから離れて行き、
「仕事」「お金」「人間関係」「居場所」など全てを失いどん底に落ちます。
アルコール依存症、あるあるです。

さて、「どん底」まで落ちたときに、
「これじゃダメだ! お酒をやめよう」と気付けるのか。
それとも、そのまま酒に溺れて、人生を棒に振るのか。

専門用語では、「底付き」体験と言います。
 
本作では、
依存症本人と家族の地獄のような苦しみを、たんたんと描きます。

カメラは手持ちで、ドキュメンタリー映画のようなカメラワーク。
だからこそ、レスリー役のアンドレア・ライズボローの演技が
とても重要。

アルコール依存症、薬物依存症の映画は
山ほどありますが、だいたいは悲惨なラストが多い。

本作は、どうなるのか・・・。

公開直後なので、ストーリーの詳細は避けますが、
本作で描かれるのは、
「アルコール依存症でも回復できる」
という回復可能性です。

もちろん、困難は多い。
とくに、お酒を飲みたくなったり、
飲んでしまうこともあるかもしれない。

回復は、簡単ではないけれど、
回復の可能性はあるんだ! 
ということがポジティブに描かれます。

そこに必要なのは、「つながり」。
支え。寄り添い。

 
あなたが裏切り続けても、
それでもあなたを心配している人はいる! 
あなたを支えてくれている人はいる!

依存症を自分の力だけで乗り越えることは困難です。
だから、誰かの助けが必要。
そして、誰かに助けを求めるべきなのです。

アメリカでは、単館上映からスタートし、
口コミで評判が広がり、主演のアンドレア・ライズボローが、
まさかの第95回アカデミー賞で主演女優賞にノミネート!!
 
本作には、依存症だけではなく、トラウマ克服のヒントもあります。
過去と向き合いたくない、向き合えないレスリー。

過去は過去として、それはそれとして、
今からやれることをやれるしかないのだ・・・と。

前半、見ていてつらくなりますが、
ラストシーンは魂が揺さぶられます。

アカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得の演技。
公開初日に見られて、本当に良かった!!

『To Leslie トゥ・レスリー』樺沢の評価は・・・・・・★★★★☆(4・6)

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