書評/映画評

ヴィレッジ ~ショッキング、だが日本の現実!

まさかこのラストシーンで来るとは・・・。
私の想定の範囲内ではあるのだが、
普通だとこのラストシーンは絶対にナシだ。

見終わった直後は、
ハンマーで打ちのめされたような状態で思考停止。
一晩たって、本作の魅力がジワジワと染み渡ってきた。

演技陣が凄い。横浜流星、本作で別次元に突入した感がある。

『線は、僕を描く』とは、全くの別人。
本作前半の、生きる気力を失ったドヨーンとした目。

後半の、役割を与えられ、寄り添ってくれる人も現れ、
生きる力にあふれた目。
この演じわけが凄い。

黒木華も良い。
彼女は、作品ごとに、全く違った顔を見せる。

そして、村長役の古田新太の圧倒的な存在感。
記憶に残る悪役。夢に出てきそうだ。

そして、主人公をいじめ続ける一ノ瀬ワタルの存在感。
こういう、いじめっ子いるよね、的な。
一ノ瀬は、Netflixの“大相撲”ドラマ
『サンクチュアリ 聖域』に主演しているが、コチラも俄然見たくなった。

過疎化する村。
ゴミ処理工場の誘致と利権。
閉鎖的な村社会、対立、村八分、差別、偏見。
陰湿なイジメ。暴力。

日本中の「村」(ビレッジ)で起きている、
ネガティブな出来事を、ごそっと集めて1本の映画にした感じ。

1つの村でこれら全てが起きる事はないだろうが、
断片的な出来事、事件は、むしろ「あるある」。
よくある話、どこにでもある話ではないか。

他人事、絵空事ではないところに、
凄いリアリティがある。
この映画が持つ「本物の怖さ」とでも言おうか・・・。

犯罪者の子供が、人生をやり直せるか。
「スティグマ」(烙印)、すなわち差別、偏見のテーマ。

樺沢が、最近、注目しているテーマである。
一生懸命、頑張ればやり直せるはず! と信じたい・・・。

こんな「村」、さっさと出て行けばいのに・・・。
しかし、出られない「現実」。
様々な「板挟み」で苦しむ主人公・優。

優に救いはあるのか・・・、

ハッピーエンドが好きな人には、
絶対にお勧めしない。

かなり後味が悪い。
それは、『告白』か『ミスト』に匹敵するかも知れない。
とするならば、それは凄い「傑作」ということではないか。

人間の「暗部」「闇」を見事に描いた作品。

魂が揺さぶられる作品・・・ではなかったが、
魂が打ち砕かれるような衝撃を受けた!!!

骨太な心理描写が好きな人は、見逃すな!!

『ヴィレッジ』樺沢の評価は・・・・・・ ★★★★☆(4・6)

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