書評/映画評

ヴァイオレット・エヴァーガーデン(TVアニメ) ~アウトプットが人を癒やす

京都アニメーションの本気度を感じる!
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が、ヤバい

 
金曜の深夜、涙をボロボロ流しながら
アニメを見続ける54歳のおっさん現る。

いや、それは共感力が高い証拠なのです。
別に恥ずかしいことではありません。

そして、本作でこれだけ泣けるというのは、
樺沢紫苑は意外とロマンティストである、
ということに気付かされるのです。
 
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が、
かなりおもしろいという口コミが入ってきました。
しかし、TVアニメ版全13本とさらに外伝を見ていない
と楽しめないらしい。
そして、全作を見るとすれば、かなりの時間をとられます。
 
どうしよう?
迷ったらワクワクする方を選べ。
とりあえず、小さく行動してみる。
 
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」TVアニメ版は 、
Netflixから見られるということで、
『アウトプット大全』にも書かれている、
樺沢の行動指針に従い、
「とりあえずどんな作品なのか、
1本だけ見てみる」ことにしました。
 
と思って見始めたら、
気付いたら第11話まで見ていた(笑)。
あと2話しかないじゃないか・・・。
 
本作は、私が予想した、期待した内容とは全く異なるものでした。
『彼女はまだ知らない、「愛してる」の意味を。』
のキャッチコピーから、最初、恋愛もの、
ラブストーリーと思いましたが、実際は全く違う。

恋愛よりも、さらに深い。心の交流。
ディープなコミュニケーション。
いや、「アウトプットによる癒やし」こそが本作のテーマに、
私には見えるのです。

 
感情を持たない戦争兵器として大陸戦争を戦い、
両腕を失い義手となった少女・ヴァイオレット。
「自動手記人形」(ドール)という
手紙の代筆業を新しい仕事を得るのです。
 
この「自動手記人形」という設定がおもしろい。
依頼者の気持ちを察し、それを「手紙」にまとめていく。
しかし、依頼者は素直に本心を打ち明けるわけでもなく、
時に真逆のことを言ったりする。

そんな「心の裏側」を察する(非言語的メッセージ)を
「手紙(文章)」(言語的メッセージ)にまとめていくののが、
彼女たちドールの仕事。
 
非言語的メッセージの言語化。
それは、精神科医や心理カウンセラーが行う作業そのものであり、
実際にヴァイオレットの代筆によって、
たくさんの人たちが癒やされていくのです。
 
これは、言葉による「癒やし」の物語。
感情を理解できないヴァイオレットが、
代筆の依頼人を癒やしながら、
そして少しずつ感情を理解しながら、
「愛してる」の意味を探り、自らの心の傷を癒やしていく。

ヴァイオレットは「癒やし手」であり、
また「癒やされる」側でもある、という。
 
その過程で「伝える」ということの重要性が描かれます。
本心を伝えたいけどできないという心のブロック。

「伝えられない」ことによる誤解やマイナス。
話言葉で伝える以上に文字(書き言葉)で
伝えるインパクトの大きさ。
 
『ストレスフリー超大全』でも、
ストレスを発散する最高の方法として、
「相談しよう」「言葉に出そう」「文字にして吐き出さそう」
と書きましたが、
そんなアウトプットをサポートする仕事が
「自動手記人形」とも言えるのです。

また、ストーリーは毎回、異なる人物による
「第三者語り」として展開しているところもユニーク。

「ある人」が見たヴァイオレットという少女。

当然、人によって見方、見え方も違う。
彼女に対して、最初は「ネガティブ」に見る人も少なくない。

それが、彼女との出会いによって、
ドラマティックに変化していくのです。

同様の手法は、映画『ワンダー 君は太陽』でも使われていましたが、
『ワンダー 君は太陽』もまた、号泣作品でありました。

そうしたテーマ性やストーリー部分が素晴らしいのに加えて、
映像が美しい。美しすぎる!! 

本作では「言葉で伝える」重要性を描きながら、
「映像」という「非言語的」部分もしっかりと描いているのです。

 
さらに、ヴァイオレットの声優、石川由依さんの声(演技)が凄い。
ヴァイオレットは、感情を理解できないし、
感情を表現できないという設定。

彼女のしゃべりは、感情が全くこもらない棒読みのような
しゃべり方にもかかわらず、毎回「ヴァイオレットの言葉」、
という「語り」に号泣させられます。
 
「棒読み」のような淡々とした語りの中に、
「感情」ではない「想い」が込められている。

だからこそ、感動してしまう。「想い」というのは非言語です。
淡々とした語りの中に、「想い」という非言語を
あふれんばかりに凝縮されている。
だから、彼女に共感せざるを得ないし、泣かざるを得ないのです。
 
「感情」表現を封印しながら、「想い」をストレートに伝える
石川由依さんの演技が素晴らしい。

ラブストーリーとして楽しんでも
もちろんおもしろいわけですが、
「伝える」「話す」「書く」「自己開示する」
「言語的メッセージと非言語的メッセージ」
といった「アウトプット」に注目して見ることで、
本作を何倍にも楽しめることができるし、
自分の手で「大人が見るべき作品」に
進化させることができるのです。

 
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。
Netflixから全13本、放映中。
是非、ご覧ください。

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