書評/映画評

ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。 ~買い物、ギャンブル、スマホなど「やめ方」がスッキリわかる本

「買い物しすぎをやめる方法を教えてください。」
「パチンコのしすぎをやめる方法を教えてください。」
「スマホの使いすぎをやめる方法を教えてください。」
といったYouTube向けの質問が、私の元に大量に来ています。

スマホ依存については何回か取り上げていますが、
買い物依存、ギャンブル依存などについては、
残念ながら、全く取り上げていません。

1時間で話せと言われたら話せますが、
「買い物」「ギャンブル」「お酒」「食べ過ぎ」などの、
依存症、あるいはその一歩前くらいの状況の方を
上手にやめさせる方法を3分で説明することは、不可能だからです。

アルコール依存症、100万人、予備軍で300万人。
ギャンブル依存症、320万人、
スマホ依存症、中高生だけで93万人。

それぞれの依存症と予備群を加えると、
軽く1千万人を突破します!!

日本人の10人に1人は、
なにがしかの「依存症」もしくは「依存症予備軍」なのです

そして、それらの人のほとんどは、
「やめたいけど、やめられない」と悩んでいます。

やめたいと思っているけど、やめられない。
それをどの様にやめたら良いのか。

その方法が、スッキリと理解できる方法が、

『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』
(汐街コナ著、サンマーク出版)
です。

依存症の本は、今まで何百冊も出ています。

患者さん向けの本もたくさん出ていますが、
わかりづらい本が多いのです。

特に、大学教授とか、本当の専門家が書いた本ほど、
当事者や患者さんに、伝わりづらい本になっています。

『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』の
一番良いところは、全て「漫画」である!
ということです。

最近、漫画のビジネス書とか流行っていますが、
漫画と文章(記事)の比率が1対1くらいで、
漫画ビジネス書なのに、漫画のウェートが少ないのです。

本書は、8対2くらいで、
「ほとんどが漫画」で、ちょっとだけ「文章(記事)」の
説明が入っている。

お酒、ギャンブル、買い物とかに夢中になる人は、
読書の習慣なんかないでしょうから、
「活字」で理解する、というのは無理。

本書では、「漫画」なので、
「なぜやめられないのか」という部分が、
すっきりと、感覚的に理解できる。そこが凄いです。

「あっ、自分もそうだ!」
「やばい!」
「何とかしない!」
という気持ちが、自然に湧き上がる構成になっています。

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』の著者、
汐街コナさんが、「やめた」経験を持つ人達の話を聞き、
依存症の専門家である大石雅之先生が、
医学的な解説をしている、という構成。

依存症の素人である汐街さんが、「聞き役」になることで、
話がとても平易で、わかりやすくなっているのです。

依存症をやめるために一番重要なのは、
「問題意識」を持って、「やめる」ための最初の一歩を踏み出すこと。

この本を読むことで、その最初の一歩を踏み出せると思うので、
「やめたい」ことがある人には、強くお勧めしたい一冊です。

『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』
(汐街コナ著、サンマーク出版)

追伸 
「何かをやめたい」と思っている人には、ホームラン本になるはずです。

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