書評/映画評

結果を出してサクッと帰る 神速時短 ~「開示」で仕事が速くなる!

抽象度を高め、圧倒的にわかりやすく解説する。
難しい、込み入った概念を解き明かし、
その本質を数十文字で説明する。
  
仕事術の本質は、「アウトプット」。
悩み解消の本質は、「言語化」。
3つの脳内物質を増やせば、幸福になる。
など。
 
抽象化、視座を高めて、誰よりもわかりやすく説明する。
このスキルに関して、私は圧倒的な自信があります。
 
一方で、具体例をたくさん挙げて、
逐一、手取り、足取り説明する「具体化」は、苦手です。
 
例えば、『言語化の魔力』では、
言語化の本質について、
過去のどの本よりもわかりやすく解説しています。

言語化の具体例も載せていますが、
せいぜい20〜30です。
 
どんな場面で、
どんな言語化をすればいいのか?
ケース・バイ・ケースでは書いていません。
 
それが書かれているのは、
今、ベストセラーとなっている山口拓朗さんの
『言語化大全』(ダイヤモンド社)です。
 
ここまで書くか・・・と思うほど、
今すぐ使える、実例が豊富。実践的なのです。
拓朗さんは、具体化、具象化の達人。
私には、絶対に無理です。
 
『言語化の魔力』を徹底的に具体化した本が
『言語化大全』。

とすると、
『アウトプット大全』を
ビジネスパーソン向けに
徹底的に具体化した本が
『神速時短』(すばる社)です。

 
表紙に描かれた
開示→選択→決断→行動
のサイクル。
 
樺沢がいつも言う、
インプット→アウトプット→フィードバック
のサイクルと似ています。
 
というか、本質的には同じものです。

ビジネスの現場で、
より活用しやすいように具体化したものが、
開示→選択→決断→行動
と言えます。

イタリア・ミラノ在住。
国際エグゼブティブコーチとして活躍する
ヴィランティ牧野祝子さんの
海外でのビジネスの経験、実例が
ちりばめられた1冊です。

本書で
アウトプットを「開示」と訳しているところが、
ユニークなところ。

自分が何を考えているか。
相手が何を考えているか。

そこを開示しあって、すりあわせていくことで、
無駄な時間が削減される。

開示することで、助言や手助けが得られる。
「巻き込み行動」が加速する。

自分1人でやるよりも、
何倍も早く仕事終わる。

4つのサイクルを回すことで、
最短で効率的に仕事ができる。
というロジックです。

「アウトプット」を中心に、仕事をしろ!
という点において、『アウトプット大全』以後、
樺沢が推奨してきた仕事術と変わりません。

しかし、本書では、
「アウトプット」を細かく分解し、
行動(アクション)しやすくにしている。

徹底的に行動が「具体化」されているので、腑に落ちる。
行動にうつしやすいのです。
 
『言語化の魔力』で私が最も伝えたかったことは、
「悩んだら誰かに相談しよう」です。
困ったら、人の力を借りよう!ということ。
 
本書のポイントは、
「開示して人の力を借りよう」ということ。

 
別に当たり前と思うかもしれませんが、
日本人の9割は、コレができません。
 
困っても、1人で悩み続ける。
仕事でトラブっても、1人で抱えてしまう。

もっと早く相談(開示)すれば、
ストレスはたまらない。仕事も順調に進む。
でもできない。

「人の力を借りる」は、
日本人の不得意とするところ。

樺沢もヴィランティ牧野さんも、
海外の経験があるからこそ、
「人の力を借りよう!」という発想が、
普通に出てくるのです。
 
『神速時短』は時間術というよりも、
根本的な仕事の構えが変わる本。

アウトプット(開示)を意識すれば、
職場の人間関係も良くなるし、
全てがスムーズに回るようになる。
 
人の力を借りるのが苦手な人に、
本当に読んで欲しい1冊。

『結果を出してサクッと帰る 神速時短』
(ヴィランティ牧野祝子著、すばる舎)

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