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追悼 伝説のビジネス書編者、飯沼一洋さん

昨日、ダイヤモンド社の編集者、
飯沼一洋さんを偲ぶ会が開かれました。

私は都合で参加できませんでしたが、
コチラに追悼の文を掲載することで、
お別れの言葉としたいと思います。

ビジネス書業界で、
飯沼さんの名前を知らない人はいないでしょう。

あなたも、飯沼さんの名前は知らなくとも、
彼の作った本を読んだことがある。
あるいは、必ず書店で見たことがあるはずです。

飯沼さんが手掛けた本は、約30冊。

代表的な本を列挙すると

  • 『1分間勉強法』(石井貴士 著/中経出版)54万部
  • 『100%幸せな1%の人々』(小林正観 著/中経出版)22万部
  • 『億万長者 専門学校』(クリス岡崎 著/中経出版) シリーズ20万部
  • 『仕事の5力』(白潟敏朗 著/中経出版)12万部
  • 『上司のすごいしかけ』(白潟敏朗 著/中経出版)11万部
  • 『1分間英単語1600』(石井貴士 著/中経出版)12万部
  • 『トヨタのできる人の仕事ぶり』(石井住枝/中経出版)シリーズ10万部
  • 『アツイ コトバ』(杉村太郎 著/中経出版)シリーズ10万部
  • 『英語は「インド式」で学べ!』(安田正 著/ダイヤモンド社)10.5万部
  • 『大富豪アニキの教え』(兄貴 著/ダイヤモンド社)13万部

などなど。

30冊のうち、なんと3分の1以上が、
10万部突破(シリーズ累計を含む)しています。

死ぬまでの間に10万部突破の本を一冊でも出せれば、
「ベストセラー編集者」「優秀な編集者」として評価されるのがこの業界。

40代の年齢で、
10万部突破の本を10冊以上編集している編集者は、
ほとんどいないと思います。

日本のビジネス書業界を、将来、背負って立つような存在。
「天才編集者」と言っても、いいでしょう。

そんな、天才編集者が、45歳の若さで、
先日、突然死で亡くなったのです。

彼がこの若さで亡くなることを予見していた人はいないと思います。
多くの出版関係者が、彼の突然の死を驚いたはずです。

ただ、彼の死を予見していた人物が一人だけいます。

それは、私です。

飯沼さんと初めて会ったのは、9年前の、
とある出版合宿。

「出版合宿の写真」(2010年)

「出版合宿の写真」(2010年)

私は出版合宿の招待講師として呼ばれていて、
飯沼さんも招待講師として呼ばれており、
懇親会の席で隣で話をさせていただきました。

その時、聞いた話ですと、
1日4時間睡眠。年間350日「出社」を、
武勇伝のように話していました。

私は、彼のあまりの仕事への傾倒ぶりに、
「恐怖」すら感じました。

ここまで頑張るから、
ベストセラーを連発できるのか・・・。

メルマガや動画でも、何度も、何度も言っているように、
睡眠時間を削ることは命を削ることです。

私は、初対面ではありましたが、飯沼さんに言いました。

「このままだと死にますよ。」

これ、本当の話です。

睡眠時間を削りすぎているし、仕事に傾倒しすぎ。
仕事しかしていないみたいな生活。

どうみても健康を壊すし、
その先に待っているものは、
「メンタル疾患」になるか「過労死(突然死)」か、どちらかです。

仮に、60歳まで生きられたとしたら、
その先に待っているのは「認知症」です。

彼はその時、「わかりました」
と言いました。

何ヶ月かたって、とある出版パーティーで、
飯沼さんと会いました。

彼はいきなり言いました。
「今生きているのは、樺沢さんのおかげです」

立ち話で数分ではありましたが、
以前よりは睡眠時間をとるようにしている。
そのせいで、調子も良いと語っていました。

確かに、初対面での憔悴した感じは、少し薄らいでいました。

それから、何年間して、やはりパーティーで会いました。

やはり、
「今生きているのは、樺沢さんのおかげです」
と同じことを言っていました。

「ネタ」というか「笑い」を狙った一言ではなく、
本心からそう思っていたのでしょう。

その後も、パーティーの席で、何度か立ち話をしましたが、
ここ数年は会っていませんでした。

ただ、彼とはFacebookでつながっていましたので、
相変わらず、年間350日「出社」は続けているようだし、
極度の糖質制限もしていたようなので、
「健康面は大丈夫なのか?」と
彼のFacebook投稿を見ながら思ったものです。

彼の訃報を、最初に知人から聞いたときは、
「驚き」というより、
「やっぱりそうなったか」と思いました。

彼の最近の睡眠時間は知りませんが、
睡眠4、5時間の生活を10年、20年続けていれば、
過労死(突然死)しても、全く不思議はないのです。

彼と会ったときに、
睡眠時間をとることの重要性をもっと力説するべきだったのか。

Facebookとつながっていたわけだから、
「最近、調子どう?」くらいのメッセージを出した方がよかったのか。

会社までおしかけて行って、
「もっと睡眠をとらないとダメだ!」と言うべきだったのか。

まあ、おそらく彼にとっては、
それは「おおきな迷惑」だったでしょうし、
言っても聞き入れるような人でもないでしょう。

「編集」という仕事へのありえない情熱。
ある意味「狂気」とすら言えるかもしれない。

そんな「狂気」に、初対面で気付きながら、
彼の「睡眠不足」と「不摂生」を放置してしまったことに、
少なからぬ責任を感じているのです。

彼と話した時間は、全て合計しても1時間は超えないけども、
それでも何か、精神科医としての「私」に
できることはあったのかもしれない、と・・・。

4時間睡眠を続けていると死ぬ!

私のYouTube動画では、よく言っています。

先日のラファエル氏との対談でも、
睡眠時間4、5時間のラファエル氏に、
「このままでは、死にますよ」と言いました。

4時間睡眠を続けていると死ぬ!

これは、別に「脅し」ではない。
事実なのです。

40歳以下のサラリーマンの50%以上が、
睡眠時間が6時間以下、という統計があります。

若いサラリーマン約半分もの人が、
「健康のリスク」を増大させながら、日々仕事をしている現実。

睡眠障害の人は、そんな爆弾を背負って生きているのです。

睡眠を削っても、たまたま爆発しない人もいるけども、
飯沼さんのように、45歳で死ぬ人もいるのです。

ということで、
睡眠不足や仕事のしすぎ(過労)が原因で、
過労死したり、メンタル疾患になる人を一人でも減らしていきたい。

今回の飯沼さんの死を通して、
「睡眠不足の恐ろしさ」を改めて感じるとともに。
「睡眠不足の恐ろしさ」をさらに情報発信することで、
病気を予防していく活動を、もっともっとやっていかないといけない。
と思った次第です。

飯沼一洋さんのご冥福をお祈りいたします。

追伸 
飯沼さん編集の本で、私が一番好きなのはこの本。

『ありがとうの神様』(小林正観著、ダイヤモンド社)

読みやすい、見やすい、わかりやすい。

ビジネス書の編集はかくあるべき、
という教科書のような一冊です。

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コメント

  1. 鈴木博子 より:

    …睡眠不足って良くないんですね

  2. タガミ より:

    飯沼さんが亡くなっていたとは…
    確かに飯沼さんのセミナーCD『ベストセラーを書く方法』でも、短時間睡眠を誇りにしてたところがありましたね。

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