本を選ぶ場合、誰がその本を書いているのか？
つまり、「著者」がどんな人物なのかは、
しっかり見ておいた方がいいでしょう。
ある分野の本を買う場合、
「その分野の第一人者」の本を買うのか、
「全く名前を聞いたこともない新人」の本を買うのか。
後者が全てダメということではありませんが、
前者の方が三振本の確率は低く、ホームラン本の確率は高い。
今日紹介する
『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』の著者
水島広子先生は、「対人関係療法」の日本の第一人者です。
先日、新潟で開催されました「日本精神神経学会」の
「ポジティブ精神医学」のセッションで、
本書を引用している先生がいて、
これはおもしろそうだということで、その場で注文したのが、
『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』です。
「自分に自信がないです。
どうすれば自信をつけられますか？」
という質問。
YouTubeやPeing質問箱で、必ず定期的に寄せられる質問です。
動画でもすでに解説しています。
『自信をつける方法』（２分３３秒）
内容を一言でいうと、
自信をつけるには、成功体験が必要。
小さくチャレンジして、小さいな成功体験を積み上げると
自信がつきます！ というのが樺沢の回答。
しかし、
『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』を読んで
ハッとしました！！
この本には、
「成功体験を積み上げる」以外の全く別な方法が
示されていたからです。
自信には２つの自信がある。
「DOの自信」と「BEの自信」です。
行動と成果による自信が「DOの自信」。
私の動画で解説しているのが、まさに「DOの自信」。
「BEの自信」とは、
「まあ、自分はこれでよいだろう」
「自分ならなんとかなるだろう」
という感覚
「自分はこうありたい」という「あり方」を大切にする
自分を肯定するときに生まれる
と定義されています。
言い換えると、「自己肯定感」「自尊心」です。
つまり、「自己肯定感」を高めることで、
「今の自分でいいんだ！」という気持ちをもてるようになり、
それが自信につながる。
成功体験が積み上がらなくても、
自分の気持ちを切り替えるだけで「自信」を持つことができるので、
「DOの自信」よりも獲得しやすく、
一度、「BEの自信」ができあがると、折れたり
状況によって左右されることもない。
むしろ、「DOの自信」よりも、「BEの自信」を大切にした方がいいよ、
というのが本書の趣旨です。
言い換えると、最近ものすごく流行っている
「自己肯定感を高める方法」の本とも言えますが、
この本が出版されたのは、２０１３年と６年も前で、
また水島先生は、
『自己肯定感、持っていますか？
あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法』（２０１５年）
https://amzn.to/2LqAJ1a
という本も出していますので、
日本に「自己肯定感」という言葉を広げた精神科医の一人、
とも言えるのです。
本書に書かれた自己肯定感を高める方法としては、
「今はこれでよい」と受けいれる」
「ありたい自分をイメージする」
「自分はどう見られているかを考えない 」
「小さな行動で一歩踏み出す」
など、一つひとつは、そう難しくない、実行しやすいノウハウ。
さらに、各章ごとに４～５個の「レッスン」（ワーク）で構成されていて、
一つひとつ実践することで、
少しずつ自己肯定感を高め、自信をつけられるような構成になっています。
さらに、各章ごとに４～５個の「レッスン」（ワーク）で構成されていて、
一つひとつ実践することで、
少しずつ自己肯定感を高め、自信をつけられるような構成になっています。
この本の中に「対人関係療法」という言葉は使われていませんが、
各章の「レッスン」に「対人関係療法」のエッセンスが
詰め込まれている、と言えます。
一言で言うと、「自分とどうつきあうか？」
について書かれた本であるとも言えます。
自分を深く洞察し、もっと自分を肯定し、
自分に「イエス」と言おう。
ちょっとした習慣を変えるだけで、
自己肯定感は高まり、「BEの自信」が生まれ、
人生を前向きに生きられるようになるのです。
その道の第一人者が語る深い内容が、
非常にわかりやすい文体で書かれており、
内容的にも実践しやすい。
＃自分に自信を持てない人
＃自己肯定感を高めたい人
に、強くお勧めしたい一冊です。
『小さなことに左右されない 「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』
（水島広子著、大和出版）
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