『プラダを着た悪魔2』、ようやく見ました。
おもしろすぎる!! なぜ、誰も教えてくれない?
「おもしろいけども、前作には劣る」
的な感想が多いのですが、
前作と全く遜色のない完成度の高さ。
深掘りされたテーマに、ただただ驚愕。
ネットにおされ、雑誌や本などの「紙」文化の衰退。
古き伝統的文化が衰退し、新しい文化に置き換え
られるのは、良いのか悪いのか?
それとも、必然なのか?
といった今日的なテーマが描かれている
のもいいですが、
「仕事」とは何か?
という極めて本質的な問題について、
映画としてキッパリと明確な答えを出している
ところが、自分には深く刺さりました。
自分の居場所は、どこか「外にある」のではなく、
「自分で作り上げていく」ものである。
“最近の若い人は、正社員もバイトもすぐに辞めてしまう”
という問題が言われます。
「この職場は、自分に合わない」「この仕事は違う」
と思うかもしれませんが、最初から
「やりたい仕事ができる職場」など存在しないし、
最初から「働きやすい職場」もないのです。
自分がスキルアップして、
「この人なら」と信頼されるようになり、
人から必要とされ、
はじめて重要な仕事を任せられる。
ジャーナリストとして活躍する夢をもっているアンディ。
前作では「ファッション」は、腰掛け、
次へのステップという割り切りで働いていました。
本作でも「ランウェイ」に戻ったのは、
最初は「クビになって生活に困ったから」
という消極的な理由です。
ミランダが「ランウェイ」という雑誌を通して
“ファッション”という文化を、何十年もかけて
盛り上げてきた功績、凄さを知ることで、
ミランダへの「大嫌い」が「リスペクト」へと
徐々に変化していくのです。
「ファッション関係ではなく、
ジャーナリストの仕事をしたい」
だったアンディが、
小手先のジャンルではなく、仕事を通して
「文化の醸成」や「社会への貢献」ができる。
そこに充実感や自己実現があると気付くのです。
それは自分にとって、「本当にやりたかった仕事」。
「天職」であるという気付きです。
その瞬間を、私たちは映画を通して、目撃します。
「他者貢献」や「社会貢献」が、仕事への
本質的な喜びやモチベーションになるという気付きは、
本当に凄い気付きです。
本作を見た。あるいは見ない人にも、
どこかで気付いて欲しい。
本作は前作から、20年後の公開。
劇中でも、丁度20年後の場面設定でスターします。
この20年で、私たちは、何をしてきたのでしょう?
という「問い」が、そこにあります。
あなたは、「自分のやりたい仕事」ができるように、
どこまで必死にやってきたでしょうか?
自己投資、自己研鑽、自己成長してきたでしょうか?
どこまで本気で仕事をしてきたでしょうか?
私もアンディと同じで、
「自分が出したい本」を出すために全力でやってきたし、
ようやく自分の書きたい本を書けるようにもなってきた。
そういう意味で、必死であがき続ける、
文章を書き続けて投稿し続けるアンディには
共感しかありません。
そして、前作での大ブレイクをきっかけに、
この20年間女優として大躍進してきた、
アン・ハサウェイの演技。
あるいは、70代後半となるも、
圧倒的な美しさとエネルギーで
衰えを感じさせないメリル・ストリープの迫力。
映画を見ていて、メリル・ストリープの
(私にとっての)代表作、
テレビシリーズ『ホロコースト/戦争と家族』にはじまり、
『クレイマー、クレイマー』、『永遠に美しく…』、
『ミュージック・オブ・ハート』、『ジュリー&ジュリア』
の名シーンが次々と蘇ります。
『クレイマー、クレイマー』、
30歳という若さでアカデミー賞を受賞するも、
そこに甘んじることなく、
常に自己最高を更新しつづけ、
映画界ハリウッドに存在感を示し続けてきた
ストリープは、ファッション界におけるミランダ、
そのものなのです。
この20年で、私自身が、何をしてきたのだろう?
とふりかえります。
前作が公開された2006年は、
私はアメリカのシカゴに留学中で、
ダウンタウンの映画館で、前作を見た
ことを思い出します。
翌年(2007年)には日本に帰りますが、
当時は「帰国したら、何か大きなことをしてやろう!」
と野心に燃えていたはず。
まさしく、前作のアンディと同じように。
映画とは、自分をうつす「鏡」です。
「1作目と比べて、この映画は???」
みたいなことを言っている暇はないのです。
「20年で、あなたは何をしましたか?」
ということを問うているのですから、
自分の20年を振り返るべきです。
そんなスケール感を持って作られた映画が、
どれだけあるでしょう?
メリル・ストリープやアン・ハサウェイの
20年史として、とらえるのはもったいない。
世界は20年で大きくかわり、
私たちは、もがき、あがき、自己研鑽し、
必死に働きながら、今も必死で生きている。
私たち一人一人が、人生の主人公である。
ということを、気付かせてくれる作品。
そんな壮大な作品、
そうそう見られる物ではありません。
そういう意味で、
『プラダを着た悪魔2』は、間違いなく傑作です!
『プラダを着た悪魔2』樺沢の評価は・・・・・・★★★★☆(4・7)
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