昨日、
映画『ディスクロージャー・デイ』が
公開されました。
一ヶ月以上前に試写会で本作を見た私は、
早く感想を語りたくてウズウズしていました。
以下、「ネタバレあり」で、感想&解説を
書いていきますので、
映画を未見の方は、ご注意ください。
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●『ディスクロージャー・デイ』はSFなのか?
映画『ディスクロージャー・デイ』は、
二つの見方ができると思います。
宇宙人は、本当にいるのか?
現実世界において、宇宙人の存在を認める
情報開示は、本当に起きるのか?
という、宇宙人問題を現実的に描いた、
という見方。
正確に言うと、
「極めてノンフィクションに近いフィクション」。
現実に起きてもおかしくない話を、
創作と現実の狭間で、
スリリングに描いた作品、という見方。
もうひとつは、
「宇宙人ものという体裁を借りたSF
(サイエンス・フィクション)」という見方です。
多くの人は、
本作を「宇宙人問題」として見るでしょうが、
私は「科学的なフィクション」と見ることで、
真のおもしろさが見えてくると思うのです。
SF(サイエンスフィクション)のおもしろさは、
「近い将来、本当に起きるかも」という
リアリティ、現実感です。
実際、「AIが人類を滅ぼす」というSF映画が
たくさん作られてきましたが、
今、現実に、その危険性が専門家の間で
真剣に議論されています。
現実と連続した近未来を描くから
SF映画はスリリングであり、おもしろいのです。
「宇宙人なんかいるはずがない」と思う人は、
本作を「リアリティのない映画」と認識するでしょう。
なので、SF映画としては、全く楽しめません。
「絶対に起こりえない絵空事を描いたエンタメ」
としては、楽しめるかもしれませんが。
●「情報による革命」が起きる!
あくまでも樺沢の見方ですが、
『ディスクロージャー・デイ』は、
「宇宙人がいるか、いないか」を描いた作品
ではありません。
というか、
そこが「真のゴール」ではないはずです。
本作では、
「情報による革命」の可能性が描かれます。
ある一つの事実、情報が世の中に出るだけで、
世界的に大きなパラダイムシフトが起きる。
それが、間近に迫っている、というSFです。
あるいは
「たった一つのナレッジ(テクノロジーの進化)
が世界的な革命を起こす」と言い替えてもいい。
本作では
「地球外の革新的技術をどう扱うのか?」
という問題が描かれます。
宇宙人の「石」を使って遠隔で意識を操作する。
その技術を汎用できれば、世界を支配できるでしょう。
革新的な超技術。例えば、
「超知能」や「核融合発電」などのテックを
世界初で開発できれば、世界を支配できる・・・
といった話もあります。
情報(テック)で、世界を激変させる未来は、
現実の延長線上の近未来です。
●『ディスクロージャー・デイ』は「知」の映画
『ディスクロージャー・デイ』に隠されているのは、
「知」のテーマです。
「知」が世界を変えるのです。
そのテーマは、実は
漫画(アニメ)『チ。-地球の運動について-』
でも描かれていました。
活版印刷によって、
「地動説」が世の中に出るだけで、
キリスト教の権威が地に落ちて
パラダイムシフトが起きる。
印刷技術による情報爆発が
「情報による革命」を起こすことが
描かれていました。
そして、今は、
SNSとAIによる情報爆発の時代です。
誰かの書き込みが、一瞬で100万人に読まれる。
それが、世界に拡散すれば、何億人がそれを読む。
「情報による革命」が、簡単に起きる可能性があるのです。
それは、現実に起きてもおかしくない話です。
知(ナレッジ、knowledge)には、
世界を変える力がある!
『ディスクロージャー・デイ』の裏テーマ。
いや、メインのテーマなのかもしれません。
●物理的な破壊のない初のデストピアもの
『ディスクロージャー・デイ』は、
ある意味「デストピアもの」と言っていいでしょう。
厳密には、
デストピア(破滅的な未来)の前夜を描いています。
しかし、私たちの受け止め方次第では、
デストピアではなく、
ユートピア(希望ある未来)にも変えられる。
そのための救いの鍵は「共感」。
あるいは「和解」。
宇宙人と人間との「共感」や「心の交流」
が描かれる一方で、
人間同士は対立を深めます。
『未知との遭遇』や『E.T.』にも通じる
「共感」による「救いの可能性」が、
スピルバーグによって、高らかに描かれています。
今までのSF映画は、
『ターミネーター2』のように
核戦争などの物理的な破壊によって
世紀末が引き起こされる。
あるいは気象変動、災害、パンデミック、隕石
といったパターンもありますが、
同様に物理的な破壊がともないます。
驚くことに
『ディスクロージャー・デイ』では、
物は何も壊れていないのです。
テレビとインターネットを通して、
映像が流れただけ。
何の破壊もない。
壊れたのは、我々の「常識」です。
たった一つの情報開示で、
昨日とは全く違った世界に書き換えられた!
というのが、本作の新奇性であり、
圧倒的なおもしろさなのです。
本作は、
『未知との遭遇』や『E.T.』で
提示された答えを描いている。
間違いありません。
「エンタメの神さま」とも言われる
スティーブン・スピルバーグ監督は
我々を楽しませるだけではなく、
常に先進的なテーマを扱い、
映画という「知」によって、
世界を変えてきた・・・と思うのです。
その意味において、
本作は『フェイブルマンズ』と同様に
スピルバーグ監督の自分史を描いている。
そして、
今までの全てのスピルバーグ作品の集大成
といっても、過言ではないでしょう。
『ディスクロージャー・デイ』樺沢の評価は・・・・ ★★★★☆(4・7)
追伸
私は、「情報で病気を予防できる」
という信念を持って情報発信をしていますので、
情報の開示で世界が変わる!(変えられる)
という、本作のテーマに強く共感するのです。
AI時代に最も必要な力は「知」の力。
スピルバーグ監督も推奨する『知性大全』。
是非、読んでいただきたい。
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『知性大全 AI時代に不可欠な力』(サンクチュアリ出版)

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