『映画ちいかわ』を見て以来、
『ちいかわ』にはまっています。
丁度、第1シーズン、
240話を見終わったところです。
主人公のちいかわは、
自分の意見や考えをうまく言葉にできない。
やりたいことがあっても、もじもじして、
なかなか行動に移せない。
その姿を見て、もどかしく感じることもあります。
けれども、ちいかわには、
とても深い”やさしさ”があります。
仲間のハチワレやうさぎを気遣い、
困っていれば心配する。
怖い場面でも、自分だけ逃げるのではなく、
涙目になりながら勇気を振り絞り、
仲間を助けようとします。
「やさしさ」というのが、
ちいかわの行動のベースになっているのです。
でも、現実世界においては、
ちいかわ的な人は、仕事の現場などで、
かなりたいへんじゃないか、
と思うのです。
そんなことを考えていた矢先。
『やさしさを武器にする 気疲れがなくなる伝え方』
(川原礼子著、講談社)
を読みました。
本書の冒頭に、次のように書かれています。
「自分の意見より相手を優先する」
「頼まれたら断れない」
「気づいたら担当外の仕事まで抱えている」
「なんとなく損な役回りをしている」
「都合良く使われている」。
あなたの周りに、そんな人はいないでしょうか?
あっ、これ「ちいかわ」だ!
と思ったのです。
本書は、
働きも共感力も、責任感も人一倍なのに、
正当に評価されない「やさしい人」を
対象に書かれた本です。
職場で急な仕事を頼まれ、
本当は余裕がないのに引き受けてしまう。
自分の意見があっても、
「気まずくなるのではないか」と考えて、
言葉をのみ込んでしまう。
そして、
「どうして自分ばかり、
損な役回りをしているのだろう」
と感じてしまう。
そうした人は、
単に「断れない人」なのでしょうか。
むしろ、相手の気持ちを想像できる、
「やさしい人」なのかもしれません。
他人を心配し、気遣えるからこそ、
必要以上に相手を優先して、疲れてしまうのです。
そんな、「やさしさ」によって引き起こされる
「気疲れ」を減らす方法を書いたのが、
『やさしさを武器にする 気疲れがなくなる伝え方』
です。
現実の社会では、心やさしい人が、
そのやさしさにつけ込まれたり、
面倒な仕事を押しつけられたりすることがあります。
しかし、本来、
「やさしさ」は大きな強みになるのです。
アニメ「ちいかわ」を見ると、
「やさしさ」は武器になることはわかるでしょう。
現実でも、「やさしさ」は武器になる!
本書では、それをノウハウとしてまとめています。
「やさしさを持ったまま、自分を守り、人と関わる方法」
を教えてくれる一冊なのです。
例えば、相手との関係を大切にしながら
「NO」を伝える方法。
気まずさを恐れて黙り込まずに、
自分の考えを伝える工夫。
ハラスメントから自分を守るための対応。
そして、人間関係で気疲れしすぎないための考え方。
「もっと強くなりなさい」と言われても、
すぐに性格を変えられるわけではありません。
必要なのは、実際の場面で使える言葉や、
具体的な対処法です。
断りたいときに、どう切り出せばよいのか。
自分の意見を伝えるときに、
どのような言い方をすればよいのか。
本書では、
そうした「伝え方」を学ぶことができます。
私がよいと感じたのは、
本書は、「文章」「文体」が
非常に”やさしい”ことです。
傷つきやすい人や、ちょっとしたことで
落ち込んでしまう人にも、
寄り添うような語り口で書かれています。
それは、言い替えると
強い共感性と非言語を言語化する能力を備えた
「ハチワレ」的な語り口、と言えるかもしれません。
「この本を、誰にいちばん読んでほしいですか」
と聞かれたら、
私は「ちいかわ」と答えたくなります。
もちろん、実際に読んでほしいのは、
ちいかわのように、やさしいがゆえに
言いたいことをのみ込み、損をしている人です。
「いつも相手に合わせてしまう」
「人に気を遣うだけで、一日が終わる頃には
ぐったりしている」。
そんな人には、
きっと役立つヒントが見つかるでしょう。
やさしさを手放す必要はありません。
そのやさしさを、自分自身にも向けてよいのです。
『やさしさを武器にする 気疲れがなくなる伝え方』
(川原礼子著、講談社)

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