「職場のストレス」というのは非常に多いですが、
その9割は人間関係の問題だと言われています。
つまり、人間関係の問題が解決されれば、
9割のストレスは消えるということです。
しかし、人間関係は難しい。
好きな人もいれば、嫌いな人もいる。
嫌な上司もいれば、優しい先輩もいる。
どうしても私たちは、
人に対して好き嫌いを持ってしまいます。
ではなぜ、人は好き嫌いをしてしまうのか。
これは意識の問題ではなく、「脳の仕組み」です。
私たちの脳には、「扁桃体」と呼ばれる部分があります。
これは危険を察知する、
いわば脳の赤信号のような役割を持っています。
何か出来事が起こったとき、
それが安全なのか危険なのかを瞬時に判断し、
危険であれば警戒する。
動物が敵と遭遇したときに、
瞬時に逃げたり戦ったりできるようにするための仕組みです。
この扁桃体は、人間関係にも働きます。
人と会った瞬間に、この人は安全か危険か、
好きか嫌いかを一瞬で判断している。
それも0.02秒レベルの速さで、
ほぼ反射的に行われています。
つまり私たちは、
考えて好き嫌いを決めているのではなく、
脳が勝手にラベルを貼っているのです。
そして一度、嫌いというラベルが貼られると、
その人の見え方が変わります。
嫌いという前提で見るので、
相手の悪いところばかりが目につく。
どんどん嫌いになる。
さらに問題なのは、
その感情は非言語で相手に伝わるということです。
こちらが嫌っていると、相手もそれを感じ取る。
結果として関係が悪化する。
上司が嫌いだと思えば、その気持ちは伝わり、
さらに関係はこじれていく。
では、どうすればいいのか。
ここで重要なのが、「普通」という考え方です。
私たちは好きか嫌いかの二択で判断しがちですが、
そこにもう一つ基準を入れる。
それが普通、あるいは「ニュートラル」です。
好きは好き。
嫌いは大嫌い。
顔も見たくない、話したくないレベル。
それ以外は、すべて普通でいい。
好きでも嫌いでもない、中立。
それがニュートラル。
そもそも私たちは、
何百人もの人と関わりますが、
深く関係する人はごく一部です。
多くの人は、
自分の人生に大きく関わらない存在です。
職場で少し話すだけの人を、
好きか嫌いかで判断する必要はありません。
だからニュートラルでいい。
私自身も、
患者さんと接するときはこのスタンスです。
クレームを言う人もいれば、
非常に丁寧な人もいる。
しかし、好き嫌いで判断しない。
ニュートラルに、公平に接する。
この考え方は、最初からできるものではありません。
訓練が必要です。
好き嫌いで判断するのは、
扁桃体という原始的な脳の働き。
一方で、
人間には理性的に考える「大脳皮質」があります。
ここを使うことで、
ニュートラルな判断ができるようになる。
この人は好きでも嫌いでもない。
そう意識して接すると、
本当にそう感じられるようになります。
そしてニュートラルで人と接するようになると、
人間関係は驚くほど楽になります。
無理に好きになろうとしなくていい。
嫌いで苦しむ必要もない。
普通でいい。
この考え方を持つだけで、
職場のストレスは大きく減ります。
ぜひ意識してみてください。
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