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学校内で携帯電話を厳しく制限したらどうなった?

ニューヨークタイムズの記事(2026年5月4日)
「学校での携帯電話禁止は効果があったのか? 
新たな研究結果は賛否両論」が、
SNS上で拡散され、
子どもたちへの携帯電話、SNSの制限、
禁止についての議論が盛り上がっています。

【背景】

♯アメリカの教育現場で携帯電話禁止が大きな注目を集め、
過去3年で約3分の2の州が学校での携帯制限法を制定(超党派の支持)。

♯(今回の研究で)期待された効果:注意散漫の解消、いじめ減少、
学力向上、欠席減少など。

【主な研究内容】

♯最大規模の全国研究(NBER working paper、Stanford・Duke・UPenn・
Michiganの研究者)。

♯Yondr社(ロック可能な磁石式携帯ポーチ)の導入校
(約4600校規模のデータ)を対象に分析。

♯データ:GPS ping、教師報告、標準テストスコア、出席・懲戒記録、
学生アンケート。

【主要結果】

♯携帯使用の減少:明確に成功。学校内GPS pingが約30%減少。
授業中の個人利用が教師報告で61% → 13%(約80%減)と大幅低下。

♯学力(テストスコア):平均的にほぼゼロ効果。高校では数学などで
わずかプラス傾向、中学校ではわずかマイナス傾向。大きな改善は見られず。

♯行動・規律:導入初年:懲戒処分(停学など)が一時的に増加(約16%増)。
その後:効果は薄れる。

♯学生のウェルビーイング(主観的幸福感):導入初年:低下。
2年目以降:プラスに転換(適応後)。

♯その他の効果:出席率、授業集中度、オンラインいじめ感知:
ほとんど変化なし。

♯教師:非常に満足(注意散漫が減り、(教師の)満足度向上)。

【全体の結論】

♯携帯使用は確実に減ったが、期待されたような即時的な学力向上や
行動改善は確認されず(少なくとも短期的には)。

♯短期的な混乱(導入時の抵抗)があるものの、
長期ではウェルビーイング向上や教師満足のメリットが見られる。

♯研究は「Yondrポーチ」という厳格な物理的制限に特化しており、
他の緩い禁止政策とは異なる可能性がある。

【樺沢の解説】

アメリカで過去最大規模の学校内での携帯電話制限の実験(2年)が
行われました。

めざましい効果が期待されましたが、
実際の携帯電話の使用量は大幅に減り、
ウェルビーイングが改善したものの、
テストの成績、出席率、授業集中度、オンラインいじめ感知などの指標は、
ほとんど変化なし(軽微な改善にとどまる)という結果でした。

この結果だけを見ると、
「学校で携帯電話を制限しても意味がない」
という意見も出るでしょう。

しかし、学校では携帯電話(スマホ)が制限されても、
放課後、家に帰れば好きなだけ使っているのです。

例えば、米国13〜18歳で、携帯利用時間は7時間22分〜8時間39分/日。
そのうち学校での利用時間は、1時間程度とされます。

つまり、学校内での携帯利用時間は、
全体の7分の1以下です。

さらに、米国の多くのティーン(約47%)が
「ほぼ常時オンライン」で利用している、
というデータもあります。

つまり、家では、ほぼ連続して使い続けている、
という状態です。

なので、学校内での携帯利用を禁止したとしても、
全使用時間の7分の1程度を制限しただけです。

家で6時間以上使っているわけですから、
テストの成績がアップするとは、考えにくいのです。

ちなみに、
東北大学の研究では、1日3時間以上、スマホを利用すると、
勉強時間の短い、長いに関わらず、
成績が著しく低下することが示されています。

最近の画像研究では、1日3時間以上の利用で、
認知症に類似した脳の萎縮(主に灰白質)が
起きることも報告されています。

長時間のスマホ、SNSの利用
→ 慢性的な脳疲労
→ 慢性的な脳へのダメージ
→ 画像診断で研修可能なほどの脳の萎縮(ダメージ)

が懸念されます。

学校でのスマホ厳しく制限をしても、
すぐにテストの成績には反映されない。

つまり、すぐには回復しないほど深刻な、
脳の強いダメージ、変化、変性を(既に)受けている。

デジタル機器の使用による、
かなり深刻な被害が、
すでに広範囲に広がっている、
考えられるのではないでしょうか?

日本もアメリカ人と、スマホ利用時間はほぼ同じなので、
同様の変化が、日本の10代でも、
潜在的に広がっていると予想されます。

他の研究では、学校内でのスマホ制限によって、
コミュニケーションが増えた。

読書量が増えた。授業中の問題行動が減ったという、
好意的な結果を報告する研究もあります。

学校にいる7〜8時間、全く携帯電話が使えない。
という状態は、「常に見ないと気が済まない」
という依存症を断ち切る効果は大きいと思います。

今回の研究でも、
制限開始の1年目では問題行動はむしろ増えていますが、
それはスマホ依存症からの
「離脱症状」と考えられるかもしれません。

日本でも、SNSの制限などが、
ようやく総務省など検討されるようになりましたが、
どのような対策が講じられるのでしょう。

帰宅後、常時オンラインで6時間以上、
スマホを使用し続ける状態は、
「依存症」の水準です。

依存症の水準に陥ると、
アルコール依存症や薬物依存症をみればわかるように、
自分の意思でコントロールすることは困難です。

10代のスマホ利用、SNS利用。
あなたは、どう思いますか?

ニューヨークタイムスの元の記事
https://www.nytimes.com/2026/05/04/us/did-school-cellphone-bans-study.html

引用元論文
https://www.nber.org/system/files/working_papers/w34388/w34388.pdf

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